ぜんそく薬が抗がん剤の副作用軽減 九大大学院薬学研究院などが確認

西日本新聞

 九州大大学院薬学研究院などの研究グループは、ぜんそくの治療薬が抗がん剤の副作用の一つである筋肉の萎縮の軽減に効果があることを突き止めた。今後は加齢による筋力低下や難病の筋ジストロフィー症の治療などにも応用を進めていく。グループの西田基宏教授(薬学)は「既存薬は安全性が確立されており、開発にかかる時間や費用が抑えられる。海外のベンチャー企業と連携するなどして、実用化を急ぎたい」と話す。

 ぜんそく治療薬は「イブジラスト」。今回の研究では「ドキソルビシン」と「シスプラチン」という2種類の抗がん剤で、心筋や骨格筋が萎縮する副作用が軽減されることを動物実験で確認した。この副作用は患者の疲労感や痛みなどにつながり、生活に与える影響は大きいが、有効な治療法は確立されていなかった。

 グループは、心筋萎縮の原因となる物質の生成を阻む働きがある薬剤を、既に承認されている薬の中から探索。イブジラストが阻害することを発見した。抗がん剤を投与したマウスを使った実験では、イブジラストの投与により、体重減少が軽減。心臓や骨格筋の筋肉量の低下が抑えられていることが分かった。

 既存薬は既に安全性が確立されているので、今後は患者らへの臨床試験を進め、5~10年程度での実用化を目指すという。

 研究結果は8月末、英国の薬理学会誌に掲載された。

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