「ママ界のエンターテイナー」バブリーダンス踊る母の思い 一心不乱に活動、CDデビューも

 バブル時代を思わせる衣装とパフォーマンスで、子育て中の母親を元気づける自称「ママ界のエンターテイナー」がいる。「バブたま」ことバブリーたまみさん(30)。「普通の働くお母さん」だった2年前から一心不乱に活動し、6月にはCDデビューも果たした。8月20日、福岡市内の子育てイベントに登場すると聞き、会場をのぞいてみた。 

 約6千人が集った「リトル・ママフェスタ福岡」。バブたまは突然、全速力で現れた。肩パッド入りの金色の浴衣、太い眉毛に青のアイシャドー。縦横無尽に走り回り「もうね、左側の母乳出てます。楽しすぎて!」と笑いを誘った。

 童謡「むすんでひらいて」をアレンジした「むすんでまたひらいて~出産はキセキ」では、曲の途中で子宮辺りを抑えてうずくまり、両脚を大きく開いて絶叫。出産シーンを再現した豪快な演出に、会場は困惑と笑いの渦に包まれた。

 活動の発端は2017年、親友から「普通じゃないスピーチをして」と頼まれた結婚式だった。当時話題になっていた大阪府立登美丘高ダンス部の「バブリーダンス」を、「バブリーたまみ」として大胆に演じると大受け。動画投稿サイト「ユーチューブ」の再生回数は3カ月で200万回を超えた。その動画を機に翌年、熊本県荒尾市の親子の集いに出演した。「久しぶりにこんなに笑った」と喜ぶ母親たちを見て「あっ、これ私幸せ」と腹にすとんと落ちた。

 「バブリーたまみは待ってくれない気がした」と勤め先を辞める。童謡や遊び歌をバブル風にアレンジし、親子で体を動かすパフォーマンスを考案。6月にはキングレコードから初のCD「ママの笑顔がいちばん!~スーパーポジティブソングス‼~」も出た。

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 楽屋を訪ねると、バブたまは半分、箕輪珠実さんに戻っていた。東京で夫(30)と息子(3)の3人で暮らしているという。なぜ、お母さんにこだわる?

 「お母さんって存在が大好きで抱き締めたくなる」という情熱的な言葉には複雑な思いもにじむ。「私が一番、お母さんの愛に飢えているんだと思います」

 福岡県大牟田市で生まれ、熊本県荒尾市で育った。8歳のある日、母親が姿を消す。姉や祖母と囲んだ食卓で父親から「もう帰ってこない」と告げられる。自分は母親に必要とされていないのか。家族の前では「終わったこと」と明るく振る舞ったものの、母親を許せず、時に自分のせいではないかと責め続けた。

 27歳で出産すると「立派に育てなきゃ」「母親だから我慢して当たり前」と自分を追い詰めた。「自分も母親と同じようになってしまうのでは」と脳裏をよぎったこともある。子どもの泣き声を聞くと、恐怖で吐き気がし、冷や汗が出る。産後うつと診断された。

 思い浮かんだのは母親のこと。夫の転勤で知らない土地に移り、専業主婦で頼れる人もいなかった。「どれだけ孤独だったんだろう。自分や母親のせいだけじゃなかったのかな」。そう思うと少し、楽になった。

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 <子育ては誰にも評価してもらえない><ママである自分を大切にしていいよ 自分を犠牲にしないで>

 ライブの最後に歌う「ママの笑顔がいちばん」は、全国の母親から「救われた言葉」を募って作詞した。

 この日も、バブたまは歌いながら泣いた。会場の母親たちも、ハンドタオルで涙をぬぐった。

 以前は「私はこんなに頑張っているのに」と夫を責めた。今は母親たちから「ばか笑いできた」「まさか泣くとは」と感謝され「必要とされている」と肌で感じられる。息子と過ごす時間も楽しめるようになった。思いを込めて歌う。

 <ママ好きなことをしよう 子どもにとってうれしいのは あなたのその笑顔だから>

 今日も舞台に駆け上がる。自分の母親に伝えたかったメッセージを胸に。

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 親子向けコンサートが10月、福岡市や熊本市などである。詳しくはバブリーたまみのホームページ=http://www.bubblytamami.com/

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