「本当に頭が痛い」太陽光発電、6割が雑草に悩む 草刈り、間隔が空きすぎれば木や竹も伸長

西日本新聞

日当たりの良い太陽光発電所では、雑草が大きな悩みになっている 拡大

日当たりの良い太陽光発電所では、雑草が大きな悩みになっている

 太陽光発電の最大の悩みは「雑草」―。九州経済調査協会が太陽光発電事業者に実施した調査で、約6割の事業者が雑草対策に頭を悩ませていることが分かった。伸びた雑草が影になると、発電効率が落ちる。九州をはじめ各地で急速に広がった太陽光発電だが、その維持管理が課題となっている。

調査は、九州で太陽光発電を手掛けている事業者を対象に2018年8~9月に実施。出力50㌗未満の低圧事業者77社、50㌗以上の高圧事業者86社が回答した。

 「発電事業で困っていること」(複数回答)で最も多かったのが「雑草対策」。低圧では58・4%、高圧では66・3%で、全体で62・6%に上った。16年に実施した同様の調査と比較すると、低圧は11・3ポイント、高圧は14・0ポイント増えていた。

 他の回答では、低圧は「パネルの汚れ」(26・0%)、「改正FIT法への対応」(15・6%)が続いた。高圧は「落雷・獣害による設備の故障」(32・6%)、「パネルの汚れ」(26・7%)が多かった。雑草対策の割合が突出して多いのが分かる。

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 「草刈りは本当に頭が痛いんですよ」。福岡県や宮崎県で太陽光発電事業を行うグリーンコープ生協設立の電力事業者「グリーン・市民電力」の大橋年徳さんは語る。

 発電所では、毎年夏から秋にかけて2~3回の草刈りが欠かせない。間隔が空きすぎると、雑草だけでなく、樹木や竹までもが伸びてくることがある。枝などが太陽光パネルに当たって故障させることもあるという。

 一般的に太陽光発電所は敷地が広い上に、植物の生育にとっては日光がさんさんと降り注ぐ最適の環境だ。これまでシルバー人材センターへの委託や、大橋さんや社員らが作業で草刈りを続けてきたが、楽な作業ではない。「草が生えてくるのを抑える防草シートを張ることを検討している」と言う。

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 再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)は、17年の法改正で保守点検に関するルールが強化された。

 太陽光発電所のメンテナンスについて、他社と契約している割合は、低圧が42・9%で16年調査比で28・2ポイント増。高圧は70・9%で12・4ポイント増。メンテナンスを実施していないと回答した事業者は低圧は16年調査より20・0㌽減って6・5%に。高圧は2・7㌽減の3・5%だった。法改正を受け、保守点検の態勢を見直す事業者が増えているようだ。

 九経調の担当者は「投機目的で太陽光発電所を購入した事業者などには、保守点検への意識が低い例が少なくない」と指摘。「安定的に運用するためには保守点検の質向上が欠かせない」と語る。

 調査は18年が九州環境エネルギー産業推進機構の委託で、16年は九州経済産業局の委託で実施した。

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