大雨爪痕被災者ため息 多久、小城市「何から手つけたら…」

西日本新聞 佐賀版

 記録的大雨に見舞われた県内では、多久、小城両市でも土砂崩れや家屋の浸水被害が相次いだ。堤防から水があふれた牛津川周辺は特に被害が目立つ。大きな爪痕の残る両市に入った。

 「もう、どうしようもない。何から手をつけたらいいか分からない」。牛津川近くの多久市東多久町の羽佐間地区で、主婦(72)は途方に暮れた。夫らと3人暮らしの木造平屋は床上まで1メートル近く浸水。寝室や茶の間の畳は全て処分し、扇風機で水にぬれた床を乾かしている。車2台も廃車になった。この10日間、洋間の板張りにござを敷き、夜はソファで横になる生活だ。

 同市は局地激甚災害に指定される見込み。市内では6日現在、住宅の全壊1棟、床上、床下浸水は156棟に上り、うち羽佐間地区では15棟に被害が出た。

 同地区の別の主婦(80)は築1年半の木造2階建てが床上まで水に漬かった。泥水が流れ込み、床を張り替える予定だ。「せっかく建てたばかりなのに残念」と肩を落とす。市内の親戚宅に身を寄せるが「不慣れな場所で眠れない」と不安を口にした。

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 小城市では6日現在、全壊が空き家1棟、住宅の半壊1棟、床上、床下浸水は308棟あった。

 牛津川近くの同市牛津町では床上、床下浸水が市全体の約8割を占める。JR牛津駅近くの女性(45)は、木造2階建ての自宅が約50センチ浸水した。大雨後の3日間は夜通しで泥水をかき出し、水に漬かったパソコンや割れたガラス、ストーブなどを処分した。「家の中を乾かしているが、異臭が漂ってつらい」

 地域での買い物も打撃を受けた。約40センチ浸水したスーパー「モリナガ牛津店」は冷凍、冷蔵ケースの復旧作業のため閉店を継続。大雨被害の復旧作業で電気工事業者の人手が足りず、20日までの営業再開を目指している。店長の山崎豊さん(35)は「可能な限り早期に復旧させ、万全の態勢で客を迎えたい」と話す。

 同店近くに住む会社員の久野昭二さん(56)は「この辺りは頻繁に浸水被害が起きる。行政は牛津川周辺の冠水対策をしっかりしてほしい」と注文した。 

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