「幹事長」死守、二階派安堵 露骨な勢力拡大に批判も

西日本新聞 総合面

 安倍晋三首相が11日に実施する自民党役員人事で続投する見通しの二階俊博幹事長率いる二階派が7日、福島県郡山市で派閥研修会を開いた。党ナンバー2に就任して3年を超えたことに加え、傘寿の高齢も相まって、副総裁への「棚上げ」説も取り沙汰されていた二階氏。勢力を拡大してきた派閥の力の源泉であるポストを死守したことに、派内には安堵(あんど)感が広がる。

 「一人一人の国会議員の力はたいしたことはない。仲間がそろってこそ、大きな力になる。それが政治」

 7日、研修会の壇上に立った二階氏が派閥の結束を呼び掛けると、拍手が湧き起こった。自身の人事に直接は触れなかったが、「満足している。みんなの協力のおかげだ」とも発言。中堅議員は「安定には二階さんしかいない。(続投は)良い流れだ」と顔をほころばせた。

 2016年8月に幹事長に就任して以来、二階氏は麻生太郎副総理、菅義偉官房長官とともに政権の「3本柱」として、安倍首相を支えてきた。17年には、党総裁任期を3期9年まで延長する党則改正を主導。今年に入ってからは「安倍総裁4選」にも言及して、厚い忠誠心を示してきた。

 だが、今回の党役員人事では二階氏の去就が焦点と目され、名誉職的な副総裁への棚上げもささやかれた。

 選挙での公認、人事、資金を差配する幹事長の座は、二階派の求心力と直結する。危機感を募らせた派閥幹部は、「交代なら副総裁室に(幹事長室の)金庫を移してもらう」と抗戦の構えを見せ、同時に内閣改造では二階派として閣僚ポストを求めない硬軟両面の作戦を取った。首相は今週、二階氏続投を決めた。

 二階派の「春」はしばらく続きそうだ。一方で、なりふり構わず野党出身議員らを招き入れ勢力を伸ばしてきた手法に、党内からは冷ややかな視線がある。

 今月5日にも旧民進党出身の1人が入会し、幹事長就任時の37人が46人になった二階派は、岸田文雄政調会長率いる岸田派と並んで党内第4派閥に上がった。二階氏は7日の研修会講師に、石破派の現職が地盤とする衆院選挙区への出馬を表明した高知県知事を招いた。これも、将来の入会への布石とみられている。

 高齢や党内バランスを踏まえると、「二階氏の幹事長続投は今回まで」との見方が支配的。二階派には有力な総裁候補が育っておらず、こんな不安の声も漏れる。「『ポスト二階』の時代には、バラバラになるかもしれない」(関係者)

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