伝統農機具アフガンへ 燃料不要、足踏みの脱穀機 朝倉の男性、現地で手ほどき

西日本新聞 社会面

 戦乱と干ばつに苦しむアフガニスタンで「足踏み脱穀機」など日本の伝統的な農機具が注目されている。燃料が不要で、壊れても修理が簡単な点が現地の事情に合っているという。福岡県朝倉市の住民が、アフガン東部で用水路を建設する非政府組織(NGO)「PMS」(平和医療団・中村哲総院長)に寄付し、4月に現地で使い方を手ほどきした。PMSは、広く使ってもらおうと商品化を検討している。

 足踏み脱穀機はペダルを踏むと突起が付いたドラムが回転し、稲を当てて穂先からもみを落とす。大正時代に普及し、昭和中期まで各地で使われた。

 寄付したのは、山田堰(ぜき)土地改良区(同市)の徳永哲也理事長(72)。PMSを資金面で支援するNGOペシャワール会(福岡市)と交流があり、「高価で複雑な機械ではなく、伝統的な農機具が現地で役立つのでは」と思い立ったという。

 昨年11月に研修で来日したアフガン人スタッフに、甘木歴史資料館(朝倉市)が所蔵する足踏み脱穀機を紹介。現地では稲をドラム缶に打ち付けて脱穀しているが、効率が悪い。アフガン人たちは「こんな便利な物があったのか」と驚き、大喜びしたという。

 徳永理事長は知人の農家の納屋にあった足踏み脱穀機を譲り受け、同会に寄付。今年4月に自ら現地を訪れ、改めて使い方を説明した。今秋には、江戸時代から昭和後期まで広く使われた、わらくずやもみを選別する農機具「唐箕(とうみ)」も贈る予定だ。

 PMSは2003年から、アフガン東部で用水路を建設している。現在は約1万6500ヘクタールが潤い、今後の課題は安定した農業の確立だ。足踏み脱穀機は、PMSの農場で使うほか「多くの住民にも喜ばれるはず」として、商品化も視野に入れる。

 水位が変わっても安定して取水できる工夫を凝らした朝倉市の山田堰は、PMSがアフガンで建設した取水口のモデル。徳永理事長は「日本の伝統技術が役立つことは誇らしい。今後も協力したい」と話している。

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