アンプティサッカー「恩返し」のMVP がん転移から復帰、大分の高3萱島選手

西日本新聞

 片脚や片腕を失った人たちがつえを支えにプレーする「アンプティサッカー」の第3回日本選手権(3日、川崎市)のMVPに、初優勝した九州在住・出身者でつくる「FC九州バイラオール」の中心選手で大分市の高校生、萱島比呂さん(17)が選ばれた。がんが転移して4カ月間の入院を経て復帰した萱島さんは「支えてくれた皆さんのおかげ」と感謝した。

 中学時代に県選抜に選ばれるほどのサッカー少年だった萱島さんは、骨肉腫で2010年に右脚を切断。翌年夏、チーム発足時に加わり、同選手権の2大会連続準優勝に貢献。昨年10月のワールドカップには日本代表として最年少で出場した。

 順風だった同年12月、定期検査で右肺へのがんの転移が発覚。「また選手の道が閉ざされるかも」と不安がよぎったが、プレーへの熱い思いに加え、仲間だけでなくライバルチームからも励ましの寄せ書きが届くなど多くの人の応援を受け、病魔に立ち向かった。

 1月に肺の一部を切除し、抗がん剤治療の苦しみにも耐え抜き、6月にチームの練習に復帰した。「少しでも早くプレーしたかった。サッカーのおかげで前向きに病気に向き合えた」

 選手権では、堅実な守備や素早いドリブル、鋭いパスで相手を圧倒。観戦したサッカー解説者のセルジオ越後さんは「技術があり、サッカーをよく知っている」と高く評価。日本代表の杉野正幸監督も「出場してくれただけでもうれしかったのに、大きな結果まで残してくれるとは」と感慨深げだった。

 萱島さんは「MVPなんて想像もしてなかったけど、みんなに恩返しができたと思う」と喜びをかみしめていた。

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