「使命は工藤会壊滅」胸に 元福岡県警本部長・吉田氏、作戦の舞台裏語る

西日本新聞 一面社会面

 「君の使命は工藤会の壊滅だ」

 2015年1月中旬、福岡県警本部3階の本部長室。警察庁首席監察官の吉田尚正は、本部長の樋口真人からこう告げられた。吉田は後任本部長の内示を受け、引き継ぎで県警を訪れていた。

 暴力団対策法に基づく「特定危険指定暴力団」に全国で唯一指定される工藤会(北九州市)。県警は「壊滅作戦」と銘打ち、14年9月から総裁野村悟ら幹部を次々と逮捕していた。樋口からバトンを託され、熱いものがこみ上げた。

 無法(者)を許すな、何とかして-。「県民の期待をひしひしと感じており、先頭に立って期待に応えたい。大変な重責だと身が引き締まった」

 12年4月、県警元警部を狙った銃撃事件を機に全国から集結した最大530人の機動隊員の応援は、14年末で終わっていた。事件は抑えられていたが、一般市民を襲撃するなど工藤会の関与が疑われる未解決事件は少なくなかった。

 「工藤会壊滅はこれからが正念場。戦いは続いている」。15年1月の就任会見でこう強調した。警察庁暴力団対策課長や宮崎県警本部長を歴任した吉田にはある考えがあった。「未解決事件をやる」。有罪に持ち込むためには検察と緊密に連携する必要があった。

 「攻めに転じる契機だ」と、すぐさま指示した。「県警と検察の幹部が一堂に会する会議をやろう」

 (肩書は当時、敬称略)

    ◇    ◇   

 「工藤会壊滅作戦」から11日で5年。1年7カ月間、本部長として指揮した吉田尚正氏(58)が西日本新聞のインタビューに応じ、作戦の舞台裏を語った。

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