新バスターミナル11日開業 「桜町再開発」完工 九州産交HD

西日本新聞 熊本版 古川 努 長田 健吾

 熊本市中央区桜町の再開発ビルに整備された「熊本桜町バスターミナル」が11日、稼働を開始する。再開発事業の主体となった九州産業交通ホールディングス(HD)は10日、新しいターミナルで出発式を行い、約200人が参列して熊本の新たな玄関口の完成を祝った。

 再開発ビルは地上15階、地下1階の大型複合施設。バスターミナルのほか、14日開業の商業施設「サクラマチ クマモト」やホテル、市の大型コンベンション施設「熊本城ホール」などが入る。総事業費は777億円。

 同HDによると、バスターミナルは再開発ビルの1階部分にあり、国内最大級の29カ所の乗降場を備える。国内外からの観光客に配慮し、路線を示す系列番号を従来の漢字表記からアルファベット表記に変更。行き先を英語、韓国語、中国語など多言語で案内する。乗客の安全に配慮してホームドアも設けた。1日当たりの発着台数約4千台、利用者数約4万人を見込む。

 10日は再開発ビルの完成式もあり、記者会見した同HDの矢田素史社長は「九州や県内各地からの玄関口になると思う。期待と緊張が交錯している」と話した。 (長田健吾)

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狙いは九州の新玄関口 14日はバス、電車無料

 熊本市中央区桜町の再開発事業に伴い誕生する商業施設「サクラマチ クマモト」。開業初日の14日、県内のバスや電車が無料で利用できる全国初の取り組みが予定されているが、「交通渋滞の緩和だけが目的ではない」(九州産業交通ホールディングス)。真の狙いは、人や交通の流れをビッグデータとして分析し、中心市街地の未来の形を探る社会実験。その先に描くのは、日本最大級の乗降場29カ所を有するバスターミナルをフル活用し、国内外や九州の各都市を熊本と結ぶ「ハブターミナル」化だ。

 同HDが見込むオープン初日の来館者数は10万人。市中心部で慢性化する交通渋滞のさらなる悪化も懸念される。そこで同HDは14日限定で、県内のバス事業者5社と熊本市電、熊本電鉄の計5千本以上の無料運行を企画した。市街地へのマイカー乗り入れを少しでも減らそうとの試みだ。

 狙うのは、単に初日の渋滞緩和だけではない。「無料」のターゲットは、普段は公共交通を使わずマイカーを利用する人たち。「無料をきっかけに公共交通を使い、利便性を再認識してもらうことで、引いては先々の渋滞緩和につなげたい」との期待もある。

 この「無料の日」の試みは、さらに大きな価値を生み出す可能性も秘めている。同HDは、ヤフーや交通関連の分析研究を行う会社「トラフィックブレイン」(東京)、熊本市、熊本大との産官学連携のプロジェクトを始動させた。無料運行が与える交通への影響や下通、上通アーケードの通行量などをデータ化し、人の流れを浮かび上がらせようというのだ。

 サクラマチに加え、九州各地への高速バスや空港直行便が発着するバスターミナル、ホテル、コンベンション機能を併せ持つ大型複合施設の誕生が、街のにぎわいに、人や交通の流れに、どんな変化を促すのか。広報を担当する九州産交ランドマークの和田直人マネジャーは「データを生かし、九州の新たな玄関口を目指す」と意気込む。分析結果は10月公表予定だ。 (古川努)

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