元祖「直方焼きスパ」再現 味生んだ喫茶店の奥薗さん 昔の常連らに振る舞う

西日本新聞 筑豊版 安部 裕視

 直方市のご当地グルメとして知られる「直方焼きスパ」のオリジナルの味が再現された。1999年秋までJR直方駅前の明治町商店街で営業し、焼きスパを生み出した喫茶店「夕やけ」の元経営者、奥薗みどりさん(67)=同市頓野=が元店舗そばでかつての常連客らに振る舞い、舌を楽しませた。奥薗さんは「これからも同様の機会があれば、味を伝えたい」と話す。

 焼きスパは焼きそば風のパスタ。約40年の歴史を持つ店とレシピを1989年、奥薗さんが先代から夫婦で引き継ぎ、学校帰りの学生らを集めて商店街ににぎわいをつくった。閉店から10年ほどして市民グループや市内の飲食店がレシピを再現したり、独自にアレンジを加えたりして継承し、ご当地グルメとして定着している。

 「直方焼きスパ」として“認定”されるには(1)パスタめんを使用(2)ケチャップソースで味付け(3)豚肉やキャベツ、タマネギが具材-などの約束事があるという。かねて「元祖の味」を懐かしむ元常連客や味を知らない市民らの要望を耳にした、友人で「夕やけ」のあった建物に隣接する「田中茶舗」の田中紀子さん(67)の招きで7日夕、奥薗さんが腕を振るった。

 ゆでたパスタめんを焼きながら、トマトケチャップにしょうゆなどを配合したソースを絡め、約20人前を次々と仕上げて皿に盛り付けた。添え物としてマヨネーズをかけたキャベツやトマト、キュウリ。「元祖・直方焼きスパ」の姿だ。

 田中さんは「うちの店が忙しいとき、昼によく出前を届けてもらった。思い出の味だったり、青春の味だったり、人それぞれに懐かしさがあるはず」と思いを巡らせる。常連だった長男拓郎さん(36)は「この味が原点です」。元祖を求め、集まった人々も「味が濃く、甘みもあっておいしい」「においだけで食欲をそそられる」と満足しきった表情で感想を口にした。

 この日の代金は材料費などの実費のみ。奥薗さんは「皆さんに喜んでもらえてうれしい。家庭で楽しみたい方々がいれば、作り方を教えてあげたい」と話す。田中さんも「商店街ににぎわいや人の流れをつくれれば」と、規模を広げての第2弾以降の開催を視野に入れている。 (安部裕視)

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