キャンプ非公表どう交流 自治体、歓迎行事を模索 ラグビーW杯

西日本新聞 社会面

「公認チームキャンプ地」の九州の自治体 拡大

「公認チームキャンプ地」の九州の自治体

 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の開幕(20日)に向け、各国代表チームの「公認チームキャンプ地」となった九州の自治体で受け入れ準備が大詰めを迎えている。ただ、世界トップクラスのプレーを間近に見られると思いきや、キャンプの日程や場所は非公表。大会組織委員会が治安上の理由などから、自治体に公表しないよう義務付けているからだ。交流の機会が限られる中、自治体は盛り上げやおもてなしへ知恵を絞る。

 「市民向けの案内はできない。W杯は対応が若干難しい」。トンガ代表を受け入れる長崎県島原市の職員は苦笑いする。市民参加の歓迎行事は調整中といい、10月6日に熊本市で行われるトンガ-フランス戦に市民200人の応援団で駆け付ける計画だ。

 フランスやウルグアイなど4カ国の公認チームキャンプ地、熊本県の担当者も「組織委に聞いてもらわないと…。こちらでは何も言えません」。公開練習は予定されていない。

 公認チームキャンプ地は、宿泊施設や練習グラウンド、ジムなどがそろい、大会期間中に出場チームが拠点とする。大会組織委などが立候補した自治体を調査、チームも視察し、全国61自治体が選ばれた。うち九州は佐賀を除く6県の15自治体。

 一方、自治体がチームに直接、誘致交渉し、組織委は関与していない「事前キャンプ」を開幕前に行う場合もある。チームの了解が得られれば、公開練習も可能だ。

 スコットランド代表が九州での拠点とする長崎市。事前キャンプが今月10日に始まり、11日午後には公開練習を設定した。市担当者は「キャンプの最大の目的はコンディションづくりと理解はしている。歓迎レセプションなどで市民との交流を深めたい」と話す。

 ウェールズ代表は、九州の4自治体などが公認チームキャンプ地。事前キャンプはそのうちの一つ、北九州市で実施し、16日にミクニワールドスタジアム北九州(小倉北区)で公開練習。元代表選手らの小学校訪問やラグビー教室も予定する。南アフリカ代表が7日から事前キャンプ中の鹿児島市は、市ホームページに日程や練習施設3カ所、宿泊施設を掲載し、「積極広報」で大会機運を高めている。

 W杯のキャンプを巡っては、2002年のサッカー日韓大会で、公開練習時間の短さなどに落胆の声も聞かれた。キャンプ対応はさまざまな事情があるが、「わが町」を世界に発信する千載一遇のチャンスに変わりはない。

 ニュージーランド、オーストラリア、ウェールズ、カナダのキャンプ地の大分県別府市は、公認、事前ともキャンプの概要は非公表。ただ、ラグビーと温泉の魅力をPRする動画を公開し、訪日外国人客向けに、特設サイトでタトゥーでも入浴可の施設などを紹介する。温泉ご当地ならではのおもてなしだ。

 熊本県も多言語対応の「熊本ラグビーコールセンター」を開設し、試合会場までのアクセスや観光情報などの電話問い合わせに対応している。 (郷達也、横田理美)

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