気にしすぎるのは決して悪くない。理由がわかればきっとラクになる。

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『気にしすぎる自分がラクになる本』長沼睦雄著

 「気にしすぎてクヨクヨ」、「負のフィルター」、「マイナス思考」、「思い込み」・・・など、冒頭から思わず身につまされるような言葉が並ぶ。

 長い間、ささいなことが気になって仕方がなく、周囲に振り回され、気分が落ち込みがちな内向型人間だった。これは自身の性格によるものだとばかり考えていたが、実は違うらしい。本書によると、クヨクヨ思い悩む原因には、思考パターンや神経・脳の働きが大きく関わっており、しかも生まれつき気にしすぎる気質を持っている人は、約5人に1人の割合で存在するという。

 本書では、この気にしすぎ体質である「HSP気質」や、マイナス思考の裏にある「トラウマ」、「愛着障害」についての解説から始まる。普通に使われている「トラウマ」の本当の意味や、なぜ人間はマイナスの行動が好きになるのか、「自己愛性パーソナリティ」についてなど、興味深い内容が続く。そして、気にしすぎる自分をラクにするにはどうしたらいいのか、つまり自分を受け入れるということのための、具体的な実践方法へとわかりやすく導いてくれる。

 文字は大きく挿絵も多く、重要部分にはラインが引かれ、読みやすさの工夫がされている。著者は精神科医であり、専門的なことをとても易しく解説してくれているのだが、実は本書はかなり奥深い内容だと感じた。すぐ読めるのだが読み返すたびに発見があり、とても学びの多い一冊である。
 
 最も重要なことは、気にしすぎること自体は決して悪いことではないということ。ただそのベクトルの方向が間違っているだけなので、それを修正すればいいし、生かしていけばいい。そのことが理解できるだけでも、当事者にとっては随分ラクになるだろう。

 ありのままの自分を受け入れることは難しい。本書にあるメソッドも、簡単な方法だが実際に正しく行うためには時間がかかるかもしれない。でもやってみる価値はある。内面と向き合って、自分を客観視できるようになればしめたもの。まずは、自分が今、気にしすぎているな、と気付くことを目指したい。

 

出版社:青春出版社
書名:気にしすぎる自分がラクになる本
著者名:長沼睦雄
定価(税込):1,058円
税別価格:980円
リンク先:http://www.seishun.co.jp/book/21299/

西日本新聞 読書案内編集部

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