義務化でも消えぬ不正 相次ぐ産地偽装

西日本新聞

 2000年代に入り全国各地で相次ぐ食品偽装。11日、福岡県北九州市の食品加工会社が「中国産」の梅を「国産」と偽って販売していたことが明らかになった。社会全体の「食の安全」への意識の高まりの中で、企業にとってそれまで培った信頼を大きく損なう問題だ。国は15年に食品表示法を施行、原産地表示の義務化を進めるが、不正は後を絶たない。

 02年に雪印食品(東京)が牛海綿状脳症(BSE)対策事業を悪用して外国産の肉を国産と偽装していたことが分かり、同社は解散した。日本食品や日本ハム子会社でも同様の偽装が明らかになった。

 07年には高級料亭「船場吉兆」(大阪)で、九州産の牛肉と認識しながら兵庫県の高級ブランド牛「但馬牛」「三田牛」のラベルを張る、ブロイラーを「地鶏」として販売するなどの偽装が発覚。賞味・消費期限の偽りや料理の使い回しなどの不正も明らかになった。料理部門で営業を再開したが、崩れた「老舗」の信頼を取り戻せず翌年に廃業した。

 食品加工会社「キャセイ食品」(東京)も08年、長崎工場で「九州産」「国産」として生産した冷凍野菜の一部に中国産を混ぜて出荷していたと明らかにした。同社は経営破綻した。

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 各地で相次いだ産地や賞味期限の偽装などを受け、国は2013年、それまで食品衛生法など3法で定めた食品の表示規定を一元化。食品表示法として施行され、加工食品の添加物、賞味期限などの表示基準を守るよう義務付けた。

 原料の原産地表示についても、来年3月末までに、全ての生鮮食品、輸入食品、一部の加工食品(もち、漬物、野菜冷凍食品、おにぎりなど)に義務付けた。さらに、22年4月までに、国内で製造したすべての加工食品について、重量割合が最も大きい原材料の原産地表示が義務化される。

 違反行為への罰則も強化。原産地について虚偽の表示をした食品の販売をした場合は2年以下の懲役または200万円以下の罰金に処する-などと定める。

 だが、食に関わる不祥事は消えない。昨年には大分市の水産品販売会社がギンザケをサーモントラウトと偽るなど不適正な表示で商品を販売。福岡県大牟田市の水産物卸売業も中国や韓国で1年ほど育てて輸入したアサリの成貝を、熊本県内で1~6カ月養殖した後に熊本産として流通業者に販売、九州農政局に是正を指示された。(黒田加那)

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