復旧復興本格化へ 大雨2週間

西日本新聞 佐賀版 北島 剛 梅本 邦明

 記録的な大雨から2週間を迎えた11日、県は災害対策本部を復旧・復興推進本部に切り替えた。大町町の鉄工所からの油流出やぼた山の土砂崩れなどの応急対策が一段落したため。今後は、被災者の生活再建支援などに取り組む。

 山口祥義知事は「被災地の皆さんに寄り添いながら(復旧や復興を)強力に推進したい」と話した。

 この日の対策本部の会合では、8月28日~9月9日に県内の宿泊施設への予約キャンセルが約1万2千人に上ったことが報告された。

 県旅館ホテル生活衛生同業組合のまとめによるもので、佐賀市が約4500人、嬉野市が約3千人、武雄市が約1500人。県観光課は「宿泊割引キャンペーンや観光情報の発信を行い、誘客に力を入れたい」と話している。

 県のまとめによると、11日午前7時時点の大雨被害は、死者3人、意識不明の重体1人。住宅の全半壊や一部損壊は10棟で、床上浸水1640棟、床下浸水2697棟。武雄市と大町町で計61世帯126人が避難している。

 農林水産関係の被害は水稲7335ヘクタール、大豆4892ヘクタールなど。 (北島剛)

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ボランティアが後押し 需要掘り起こし課題に

 記録的な大雨に襲われた被災地の復旧を後押しするのがボランティアだ。浸水した家屋の片付けが進み、受け入れを希望する被災者の数は発生当初より落ち着きつつあるという。だが、助けが必要でも遠慮したり、プライバシーを気にしたりして声を上げない被災者も目立つ。潜在的なニーズをどう掘り起こすかが課題となっている。

 県内最多の1532棟で床上・床下浸水の被害が出た武雄市。被災者からのボランティア受け入れ希望人数は減少傾向にある。6日は250人で、8日に300人に達したが、10日は120人に減った。県社会福祉協議会も「県全体でも始めのころより受け入れ希望は減りつつある」とみる。

 だが、生活再建に人手が必要な被災者でもボランティアを頼まない人もいる。小城市の女性は「自分の家が古くて散らかっているのでボランティアに見られて何か思われるのが嫌だ」。大町町の男性も「親戚なら頼みやすいが、細かい作業までお願いするのは気が引ける」と話す。

 ボランティアによる継続的な支援を求めることにためらいもある。大町町福母の岸川喜八さん(83)は10、11日にボランティアを受け入れた。油や泥が付着したがれきの搬出を手伝ってもらって「熱中症になりそうな暑さの中で来てくれて感謝している」。家の片付けはまだ残るが、今後も来てくれと口に出しにくい。近所の民家も浸水被害に遭っており、「こっちの都合ばかりで自分のところに来てくれとは言えん」。

 潜在的なボランティア需要があるのでないかと、ボランティアの40代男性が武雄市の被災者約30世帯に尋ねて回ったところ、そもそも約1割がボランティアの存在や利用方法を知らなかったという。

 受け入れ希望数が減れば、潜在的な需要はあるのにボランティア派遣が縮小される恐れもある。男性は「ボランティアが減れば被災者の復旧が遅れてしまう。元通りの生活に戻れるように、遠慮せず早めに声を上げてほしい」と話す。

 県社協は「まだまだ掘り起こせていないニーズがあるはず。そこに手を差し伸べられるようにしたい」としている。 (梅本邦明)

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