かんぽ不正検査着手 「全て明らかにして」九州の顧客

西日本新聞 社会面

 保険の不正販売問題を巡り、金融庁がかんぽ生命保険と日本郵便への立ち入り検査を始めた11日、不利益を受けた顧客の間には、徹底した調査への期待と不信感が交錯した。

 「うちの両親以外にも狙われた高齢者はたくさんいるはず。全て明らかにしてほしい」。佐賀県の50代女性は訴える。

 女性は昨年10月、北九州市の実家で保険書類を見つけた。80代の両親は2015~16年、それぞれ95歳まで約1千万円の保険料を払い、死亡時に500万円を受け取る保険に加入していた。両親は「郵便局員から『税金対策になる』と言われて契約した。こんなに高い保険料は払えない」と驚いたという。

 無職の妹が同居していたにもかかわらず、局員は「家族は仕事が忙しい」と勝手に書類に記し、同席させていなかった。抗議すると、かんぽ生命は保険料全額を返還した。女性は「郵便局からは、謝罪も説明もないまま。なんでこんな営業が行われたのかきちんと解明してほしい」と話す。

 宮崎県の50代男性は、局員に勧められるまま、同じ内容の保険の解約と契約を繰り返した。3年前に不利益に気付き金融庁に相談したが、別の相談機関を紹介されただけだったという。

 男性は「国の機関だったかんぽや郵便局は、金融庁の身内みたいなものだと思う。金融庁が厳しくチェックしていれば被害は広がらなかった。立ち入り検査しても、どうせうやむやに終わるだけじゃないか」と冷ややかに見ている。

 福岡県の局員は「金融庁の検査や社内調査が中途半端に終われば、信頼は取り戻せない。うみを出し切らなければ」と危機感を打ち明けた。 (宮崎拓朗)

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