来年のNHK大河ドラマの主人公は明智光秀…

西日本新聞 オピニオン面

 来年のNHK大河ドラマの主人公は明智光秀。本能寺の変で主君織田信長を討った「逆臣」の印象が付きまとう。大河は、新しい解釈で従来の光秀像を覆すというから楽しみだ

▼炎上する本能寺から脱出するように促された信長は「是非もなし」と言い、自刃して果てる。歴史小説によく描かれる場面だ。用意周到な光秀のことだから包囲はアリのはい出る隙間もなかろうと観念したか。信頼して取り立てた部下に裏切られて絶望したか

▼こちらは「日産の変」。巨額報酬の不正を追及し、絶大な権力を振るった前会長ゴーン被告を追い落とした西川(さいかわ)広人・日産自動車社長である。“天下を取った”はずが、自らの不正報酬問題で辞任に追い込まれた

▼謀反を起こした光秀は、信長の後継として天下に号令するには「大義」に欠けていた。同僚の羽柴秀吉らに攻め滅ぼされ、「信長の横暴なやり方を正す」という望みはついえた

▼ゴーン被告に信頼されて出世した西川氏も、ゴーン体制の弊害を正すという「大義」に欠けていたといえる。さらに同根の不正報酬まで露見すれば、辞任は「是非もなし」。志半ばの退場は、光秀の「三日天下」に重なる

▼日産は業績不振で大規模な人員削減を迫られている。経営倫理の刷新も待ったなし。日本を代表する企業ならばこそ、信望を得て天下をまとめた秀吉や、長期安定をもたらした徳川家康のような経営者が待たれる。

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