宮大工、宮若に九州拠点 学校跡地に作業施設

西日本新聞 筑豊版 丸田 みずほ

 奈良県の法輪寺の再建工事を手掛けるなど現代を代表する宮大工、小川三夫さん(72)が設立し、全国各地の130を超える寺社仏閣の建築や修繕に関わる寺社建築会社「鵤(いかるが)工舎」(栃木県塩谷町)が、宮若市の旧若宮西小跡地に作業施設を設ける。操業開始予定は来年春。拠点は3カ所目で、九州では初となる。

 市によると、九州で拠点を探していた同社に誘致を働きかけ、8月20日に事業用定期借地権設定契約を締結。旧若宮西小のグラウンドの一部(約2100平方メートル)に作業棟と資材置き場を建設する。

 小川さんは、高校生の時の修学旅行で、奈良県の法隆寺五重塔を見たのがきっかけで宮大工を志すようになった。法隆寺の解体修理などに携わり、「最後の宮大工」と言われた故西岡常一さんに21歳で弟子入り。西岡さんの唯一の内弟子として、寺社建築、再建などに尽力した。

 30歳で独立した小川さんは1977年、奈良県斑鳩町に宮大工集団「鵤工舎」を創業。90年に株式会社化し、本社を栃木県塩谷町に置いた。奈良と栃木の2拠点では、これまで全国から迎えた100人を超える弟子を育て上げ、現在は約30人が修業を積んでいる。同社の代表は、還暦を機に長男の量市さんに引き継いだ。

 九州では、順正寺(福岡市博多区)本堂の修繕を手掛けた。この他にも、九州にある寺社の建築、修繕依頼はあったが、奈良や栃木の作業所からは距離があるため、やむを得ず断ることが多かったという。小川さんは「今後は九州の寺社も受注しやすくなる。弟子の育成にも力を入れたい」と話し、宮若市は「宮若の地域活性化や文化、伝統向上への寄与に期待したい」としている。 (丸田みずほ)

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