ビールグラスを卓上に五つ用意して、幼なじみとの食事は始まった

西日本新聞 社会面 相島 聡司

 ビールグラスを卓上に五つ用意して、幼なじみとの食事は始まった。地元の店に集まったのは4人。グラスの一つはこの8月に交通事故で急逝した友人の分だった。通夜に出席した際、誰からともなく「近いうちに集まろうか」となり、小学校からの付き合いだった故人をしのんだ。

 人懐っこい性格で、誰もが大切な思い出を持っていた。私も遠い夏の日に当時はやっていたテレビの心霊番組を一緒に楽しみ、大雪の日には夜遅くまで遊びほうけて、そろって親に叱られた。喪失感は本当に大きいが、大黒柱を突然失った家族のそれは比べものにならないだろう。

 近年、あおり運転などの交通マナーの乱れが問題となっている。厳罰化を視野に入れた対応策も論じられているが、まずはハンドルを握る一人一人が、安全意識や周囲への思いやりを高めたい。つまらない行為がいかに愚かであることか。多くの涙に改めて痛感させられた。(相島聡司)

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