かんぽ保険、顧客虚偽登録 読み仮名濁点外す 大分中央郵便局

西日本新聞 社会面 宮崎 拓朗

顧客情報を虚偽登録する手法 拡大

顧客情報を虚偽登録する手法

 かんぽ生命保険の不正販売問題を巡り、一部の郵便局員が顧客の名前の読み仮名や郵便番号を意図的に変えて登録し、古い契約からの乗り換えにもかかわらず、別の人物との新規契約を装っていたことが分かった。内部評価の高い新規契約として、営業実績や手当金を不当に得ていたという。大分中央郵便局(大分市)で多数発覚し、かんぽ生命と日本郵便が同様のケースがないか全国で社内調査を実施している。

 複数の関係者が西日本新聞の取材に証言した。不正の手法は複数あり、読み仮名に本名にない濁点を加えたり、逆に外したりするほか、郵便番号の下4桁に架空の番号を記入していた。同郵便局では数人が関与したという。

 乗り換え隠しの新たな手口とみられ、保険営業の現場で不正行為が繰り返されていた実態があらためて浮き彫りとなった。

 新規契約と装う方法は、旧保険の解約時期を意図的にずらして保険料の二重払いや無保険状態を生じさせる契約が明らかになっている。このほか、顧客の意向がないのに、被保険者を変える「ヒホガエ」▽旧保険の満期を前倒して終了させる「タンシュク」-などもある。

 かんぽ生命の内部規定は乗り換え契約の場合、局員が得られる営業実績と手当金は「新規契約の半分」としている。今回のケースでは新規契約分に加え、これまでかんぽ生命への加入がない「未加入者」との契約として取り扱われ、より多くの営業実績や手当金を得られるという。

 九州のある局員によると、乗り換え契約時は氏名や住所の変更がない限り、旧契約の顧客情報をそのまま引き継いでいる。登録内容を変えることはあり得ないといい、「システムの抜け道を意図的に悪用したとしか思えない」と指摘した。

 西日本新聞の取材に対し、虚偽登録をされた顧客の家族は「なぜ違う名前で登録されているのか分からず、気味が悪い。不利益な契約内容にもなっており、きちんとした調査をしてほしい」と話した。日本郵便は「個別事案でもあり、回答は控える」とコメントした。 (宮崎拓朗)

詐欺の恐れ

 コンプライアンス問題に詳しい郷原信郎弁護士の話 事実であれば、顧客情報を虚偽登録した郵便局員は、日本郵便から不当に多くの手当金を受け取っていたことになり、詐欺に当たるのではないか。見過ごしてしまった会社の管理上の問題もある。こうした不正が常態化すれば、現場のモラルを著しく低下させてしまう。日本郵便は徹底した調査を行い、厳正に対処するべきだ。

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