有名な「三本の矢の教え」…

西日本新聞 オピニオン面

 有名な「三本の矢の教え」。戦国武将の毛利元就が3人の息子に与えた教訓と伝わる。矢は1本では折れやすいが、3本まとめればたやすく折れない。一族の結束こそ大切なのだ、と

▼元就は卓越した政略で、安芸(広島県西部)の小領主から中国地方10カ国を支配する全国屈指の大大名にまでなった。しかし、決して天下は望まず、内政に力を注ぎ、毛利家の統治体制の安定に努めた

▼長州藩の藩祖とされる郷土ゆかりの偉人に倣ったかどうかは知らぬが、政府、与党の結束の要である「三本の矢」を重んじる安倍晋三首相である。今回の内閣改造では、閣僚を大幅に入れ替える一方、麻生太郎副総理兼財務相と菅義偉官房長官は留任させ、自民党役員人事でも二階俊博幹事長が続投した

▼長年、安倍首相を支えてきた三本の矢がまとまれば、政権は安泰ということか。確かに、それぞれが老練で強力な矢だ。だが、そろそろ耐用の期限では。80歳の二階氏は高齢不安が付きまとう。政府に都合の悪い質問は「全く問題ない」と突き放す菅氏の記者会見はいかがなものか

▼中でも、財務省は文書改ざんや次官のセクハラなど不祥事が噴出したにもかかわらず、居座り続けた麻生氏の留任には首をかしげる向きも多かろう

▼それでも政権の結束と安定を選んだ安倍首相。三本の矢をつがえ、きりきりと弓を引き絞って狙う先にあるのは、憲法改正という的であろう。

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