「用はなくても楽しい街」に サクラマチ クマモト開業 JLL・大津会長に聞く

西日本新聞 熊本版 丸野 崇興

インタビューに答える大津武会長 拡大

インタビューに答える大津武会長

14日開業する「サクラマチクマモト」。オープン前日の内覧会では、最終確認を行うスタッフの姿が目立った(撮影・古川努)

 熊本市中央区桜町の再開発ビルに14日開業する大型商業施設「サクラマチ クマモト」。計画当初から関わってきたJLLモールマネジメント(東京)の大津武会長に、サクラマチ誕生の裏側や、再開発が進む中心市街地の将来像などについて聞いた。(聞き手は丸野崇興)

 -関わった経緯は。

 「以前から九州産交側から相談を受けており、2011年にコンサルティング契約を結んだ。商業施設の適正規模を分析し、テナントの構成、施設の運営スキームを提案した」

 -どのように商圏を設定したのか。

 「『福岡に対抗しよう』という意見もあったが、人口規模も商業集積も比較にならず、勝算がない。ただ、熊本から福岡に買い物に行く人の中で、いくつかのニーズを取り戻す戦略なら取れる。日々の買い物は熊本市内でどうですか、と」

 -ターゲットの客層は。

 「価格帯は百貨店と郊外のショッピングモールの中間点。大都市圏に比べて人口が少ないので、年齢層は広めに設定している」

 -熊本という街の魅力をどう考えるか。

 「熊本は九州の真ん中、へその位置にある。福岡と競争するのではなく、連携することが増えるだろう。熊本の観光資源は魅力的で、福岡に来た人に、足を伸ばしてもらえばいい」

 「30年ぐらい前までは、東京のアパレルメーカーが九州に進出するときは、福岡ではなく熊本に出店していた。それだけ高感度の街だった」

 -一番苦労したのは。

 「地震だ。意思決定が遅れたし、追加投資もあった。テナント誘致でも、地場の商業者は本店が被災し『新しい店より足元を優先したい』という方もいた。われわれも、地元の商業者も大変だったが、乗り越えることができたと思う」

 -サクラマチ開業で人の流れはどう変わるか。

 「今は郊外(の商業施設)に買い物客が流出しているが、ちょっとしたハレの日の買い物客は都心に戻ってくる。シネマコンプレックスや次世代型エンターテインメント施設などもあり、買い物だけでなく遊びに行くニーズを持ってきたい」

 -年末にかけて市の大型コンベンション施設「熊本城ホール」も開業する。

 「22年には再開発ビル前のシンボルプロムナード(遊歩道)が完成し、イベントが開かれるようになる。通町、桜町、熊本城の回遊性向上も期待できる。(九州産業交通ホールディングスの)矢田素史社長が言うように、『用はなくても楽しい街』になるのでは」

 -一方で、JR熊本駅前や、来年2月閉店する熊本パルコの跡地など、他の再開発事業と競合しないか。

 「オーバーストアを懸念する人もいるだろうが、以前あった県民百貨店とセンタープラザの合計売り場面積より小さい。今のバランスを急激に崩すような事業ではない」

 「JR駅前とパイを食い合うことにはならないと思う。市の計画では、一帯として中心市街地とされている。短期的には競合するだろうが、中長期的にはさらに活性化する。市の計画にのっとっていくということ」

 -今後の展開は。

 「サクラマチにも関わっていきながら、それ以外のことも相談を受けている。これからも熊本の街づくりに関わっていく」

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