蔵書1万3000冊 久留米大に寄贈 私設「河川図書館」主宰の古賀さん 収集50年、充実資料

西日本新聞 筑後版 山口 新太郎

所狭しと書籍が並ぶ古賀河川図書館で「なかなか片付かない」と話す古賀邦雄さん 拡大

所狭しと書籍が並ぶ古賀河川図書館で「なかなか片付かない」と話す古賀邦雄さん

 河川、湖沼、水の書籍を集めた私設図書館「古賀河川図書館」(久留米市高野2丁目)の蔵書約1万3千冊が、久留米大学の御井図書館(同市御井町)に寄贈されることになった。主宰する古賀邦雄さん(75)が、水資源開発公団(現・水資源機構)の職員時代から約50年掛けて私費で収集し、資料の充実ぶりから研究者や行政関係者の間では知る人ぞ知る存在だ。1人で切り盛りする古賀さんが高齢となり譲り先を探していた。

 古賀河川図書館は2008年、筑紫野市の民家に開設。公団時代、導水整備やダム建設などで「関わりが深かった筑後川のそばに」と翌年、現在の場所に移った。住居も兼ねる2階建て借家の部屋の壁は書棚で隠れ、整理する前の本などが階段にも並んだ。

 所蔵するのは治水、水害、ダム工事誌など土木や水道、農業用水分野などの専門書、川が舞台の文学、児童書と多岐にわたる。

 新刊本はもちろん、全国の公立図書館の郷土資料室に足を運び、未所蔵の文献を見つければ、古書店街を回って入手した。各地の河川や湖沼を網羅し、最近は研究者に名が知られ、献本を受けることも多かったという。

 研究者、学生、行政の担当者向けに閲覧、貸し出しや、レファレンス(調査・相談)に応じ、全国から来訪者があった。「交流した先生には『1冊、本を書いてください』と背中を押してきた。出版された本が届いた時は、本当にうれしかった」と振り返る。

 ここ数年、体力の衰えを感じ「元気なうちに」と、寄贈先を探していた。筑後川の研究者が在籍し、距離も近い久留米大に打診したところ「保管すべき貴重な資料」と快諾。古賀さんは「大学図書館に所蔵されることで、全国から利用しやすくなる。後世に残せてほっとした」と話す。

 今年6月から書籍を段ボールに詰め、友人の助けも借り、軽トラックで少しずつ御井図書館に運び出している。「懐かしい本を手にし、作業が止まることもしばしば。何とか年度内に終えられたら」。寄贈後もレファレンスは続け、図書館の看板も掲げ続ける。「講演会を開くなど川の仲間が交流できる場にしたい」 (山口新太郎)

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