長崎「核廃絶、世界へ発信を」 法王38年ぶり来日

西日本新聞 社会面 徳増 瑛子 華山 哲幸 西田 昌矢

 ローマ法王の38年ぶりの来日が正式発表された13日、訪問地の一つ、長崎市の市民や関係者からは歓迎の言葉が相次いだ。核廃絶を訴え続ける現法王フランシスコは被爆地・ナガサキでどのようなメッセージを発するのか。被爆者たちも関心を寄せている。

 「多くのカトリック信者が亡くなったこの浦上で、原爆の悲惨さを想像してほしい」。先々代の法王ヨハネ・パウロ2世も訪れた同市の浦上天主堂。原爆で破壊され、信者の寄付で再建されたこの教会に通う、信者で被爆者の深堀繁美さん(88)の望みだ。

 現法王の核廃絶への強い信念は、写真「焼き場に立つ少年」のカードに「戦争がもたらすもの」と書き添えたエピソードに象徴されている。田上富久市長は「強い思いがあるはずだ。長崎を最後の被爆地にしよう、と語ってほしい」と期待した。

 法王が元首を務めるバチカン市国は2017年採択の核兵器禁止条約にいち早く批准したが、核保有国や「核の傘」に依存する日本などは後ろ向きで、発効には至っていない。長崎の教会関係者でつくる受け入れ組織代表の中村満主任司祭(62)=長崎県五島市=は「日本が批准しないことを苦々しく思う。(法王来日は)批准するべきだ、という世論を喚起するきっかけになる」と語る。

 各国から多くの人が集う平和公園は市民の憩いの場でもある。近くの川村邦男さん(75)は、改めて世界の目が向けられることを期待し「(象徴的な)この場所で平和、核兵器廃絶へのメッセージを発信してほしい」と願った。 (華山哲幸、徳増瑛子、西田昌矢)

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