諫早湾調整池汚濁、羽虫が発生 元教諭観測

西日本新聞 社会面 山本 敦文

 諫早湾を閉め切る全長7キロの潮受け堤防。13日早朝、堤防の上を走る道路の駐車場を訪れた元高校教諭の桃下大(ひろし)さん(74)=長崎県諫早市=は、諫早湾を閉め切ってできた2600ヘクタールの調整池に目をやり、つぶやいた。「人間が手を加えた自然は、やはり異常だよ」

 2010年から、調整池で発生する体長5ミリの羽虫ユスリカの定点観測を続けている。歩道橋の手すりに密集し、数百匹が群れて飛ぶ蚊柱が堤防沿いに何本も現れることもあるという。

 桃下さんによると、ユスリカの発生を招いているのが調整池の富栄養化だ。汚濁の度合いを示す化学的酸素要求量(COD)は、国が「干拓事業の完了時には達成できる」と約束したにもかかわらず、法で定めた基準を今もクリアできていない。「開門して、調整池をかつての汽水域に戻せば問題は解決するんだが…」

 堤防沿いの水面は、ユスリカの幼虫の餌ともなるアオコで緑色に染まる。毒性を含んでおり「ユスリカや、それを食べる鳥などに蓄積される生物濃縮が進まないか」と懸念する。 (山本敦文)

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