参道の流鏑馬最後か 専用のゴム製舗装が老朽化 福岡市西区 飯盛神社

西日本新聞 ふくおか都市圏版 下村 佳史

老朽化のため、今年の流鏑馬開催後、はがされることになったゴム製舗装 拡大

老朽化のため、今年の流鏑馬開催後、はがされることになったゴム製舗装

馬場の移転が検討されている「やよいの風公園」周辺 飯盛神社前周辺の地図

 毎年秋の伝統行事として福岡市西区の飯盛神社前の参道で180年以上続けられてきた流鏑馬(やぶさめ)について、神社などが今年の開催を最後に馬場を1キロほど離れた歴史公園周辺へ移す検討に入っていることが分かった。馬が走れるよう市が参道に敷いているゴム製舗装材の老朽化が理由。今年は修繕でしのぐが、神社は「ゴムの舗装材では今後も修繕を繰り返さなければならず、行事が永続できるか懸念がある」としている。 (下村佳史)

 流鏑馬は同神社の秋の大祭で奉納され、毎年10月9日に行われる。今年で182回目となり、現在は飯盛宮当流流鏑馬保存会が伝統を受け継いでいる。

 参道は市道で、かつては未舗装だった。行事が市の無形民俗文化財に指定されてから4年後の1996年、市が地元住民の要望を受け、アスファルト舗装にした。その際、馬が足を痛めたり滑らせたりするのを防ぐため、道幅6メートルの中央部分に幅2メートル、長さ250メートルにわたってゴム製舗装材を敷き、全国的にも珍しい流鏑馬道路を整備した。

 ただ、普段は車の通行などで舗装材が欠けるなどするため、数年に1度、修繕が行われてきた。今年4月以降は、舗装材が大規模に浮いてずれが生じ、数十センチのひび割れが複数発生。片側通行をしている区間もある。

 このため西区役所は8月から神社、地元町内会と協議を開始。今年は修繕で応急対応し、流鏑馬開催後は老朽化が進む約150メートルの区間について舗装材をはがし、一時的にアスファルトで再舗装することにした。

    ◇   ◇

 区と神社、町内会は来年以降の対応も話し合ってきた。馬のためには再びゴム製舗装材を敷く方がいいが、今回のように20年以上経過すると全面的に修繕しなければならない。代替策として道路中央部を未舗装にすると、雨天時の通行に支障が出る。車と馬どちらも走れるようにする解決策は見つかっていない。こうした中で、馬場移設の可能性を探ることにした。

 移設場所の適地として浮上したのが神社から東へ約1キロ離れた国史跡の吉武高木遺跡に整備された「やよいの風公園」周辺。同遺跡は神社が神域とあがめる飯盛山の山裾に位置し、弥生時代の祭殿とみられる大型建物が出土し、神社と歴史的なつながりがあるとの見方がある。

 また、神社前の参道では見学場所確保や的の配置のため、道路中央部に馬場を設ける必要があるが、移設候補地の市道周辺は水田が広がりスペース的に余裕がある。道路片隅に馬場を寄せて整備することも可能で、中央部でなく片隅を使うことで車の通行への支障も軽減できるという。

 西区役所は「文化財を守っていくため、神社が地元の住民と話し合って決めることに幅広く対応していく」と、移設を視野に入れた検討にも応じる姿勢だ。

 一方、氏子の中には「奉納の行事として参道で続けるべきだ」との声もあり、神社は10月初旬の総代会で馬場整備の方向性を探る。牛尾秀司宮司は「流鏑馬をいつまでも継承できるようにするため、行事の在り方を含め氏子や地域の人から意見を聞きたい」と話している。

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