【ラガーマン記者が読み解くW杯】ゼロからラグビー(1)得点 終盤は7の倍数を意識

西日本新聞 入江 剛史

 日本でのラグビーワールドカップ(W杯)開幕が目前に迫っている。九州を含む各地で1カ月以上にわたって世界最高峰の試合が繰り広げられるが、「ルールが複雑で、ラグビーは難しい」という人も多いようだ。今からラグビーの全てを理解しようとするのには無理がある。そこで、これだけ知っていれば楽しめるという肝を西日本新聞のラガーマン記者がご紹介する。

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 4年前の前回W杯で強豪の南アフリカ代表を破った日本代表。日本は3点差で追う試合終了直前、南アフリカの反則でペナルティーゴール(3点)ではなく、逆転を狙ってスクラムを選択。トライ(5点)を奪い、大金星を挙げた。

 優勝候補の一角の南アフリカと引き分けることで満足せず、あくまで勝ちにこだわったことが世界のラグビーファンの心を震わせ、「スポーツ史上最大の番狂わせ」とも呼ばれた。

 ラグビーには次の4種類の得点方法がある。それぞれ得点に差があるため、勝敗を左右しかねないプレーの選択が生まれる。

 (1)相手チームのゴールポストより奥の地域「インゴール」に楕円(だえん)球を付けるとトライ。一挙に5点だ。

 (2)トライを決めるとゴールキックができる。蹴った球がH型のゴールポストの間を通り、クロスバー(Hの横棒)を越えると2点が入る。

 (3)同じキックによる得点でも、相手が反則した地点から蹴ってゴールポストを狙うのが「ペナルティーゴール」で3点。

 (4)プレー中にボールをワンバウンドさせて蹴るのが「ドロップゴール」で、これも決まれば3点だ。


 両チームともフレッシュな状態の序盤はともに防御も堅く、簡単にトライは取れない。相手が反則すれば、ペナルティーゴールで着実に3点を重ねることが多い。

 ゴールやトライを奪い合って迎えた終盤になると、7の倍数を意識して戦う。トライしてゴールを決めれば7点。相手との差が6点以内であれば最後の最後まで逆転が狙える。逆に、6点差で追われていれば、ペナルティーゴールで3点取って9点差とし、ワントライ、ワンゴールで届かない得点差にする判断もある。

 トライを狙うのか、ゴールを狙うのか。残り時間や点差を考え、どんなプレーを選択するのか。そこを意識して観戦しても面白い。(入江剛史)
(随時掲載します)

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 いりえ・つよし 福岡高でラグビーを始め、早稲田大でスクラム最前列のプロップとして公式戦出場。西日本新聞入社後は勤務の傍ら、旧朝倉農業高(福岡県)、福岡高、大分東明高などでコーチを務める。ラグビーW杯日本大会を1年後に控えた昨年夏、九州で唯一、キャンプ地にも試合会場にもなっていない佐賀に赴任。ただ、小学生の息子が佐賀でラグビーを始め、週末の練習が楽しみで仕方がない。録画した試合を見ながらの晩酌がほぼ日課。46歳。


 

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