大雨 武雄の窯元に影響 地下水増、登り窯築造できず

西日本新聞 佐賀版 古賀 英毅

築造途中の登り窯の横に立つ古賀末廣さん。乾燥は進んできたが、窯の下の土はまだ水分を含んで黒い 拡大

築造途中の登り窯の横に立つ古賀末廣さん。乾燥は進んできたが、窯の下の土はまだ水分を含んで黒い

 県内を襲った先月の大雨は地下水にも変化をもたらしたとみられ、武雄市の窯元に影響を与えている。同市山内町の亀翁窯では、地面から蒸発する水分が急激に増え、新しい登り窯の築造作業を進められない状況だ。市商工会の窯業部会長も務める同窯の古賀末廣さん(62)によると、3カ月ほど遅れる見通しという。

 窯の中にある程度の水分量があることで炎に変化が出て、作品に「窯変」が生まれる。このため登り窯は山の斜面の比較的湿気があるところに造られることが多い。梅雨時期などには、窯の周辺に地下水がしみ出てくることはあるという。

 古賀さんが造っている窯は3代目。2014年に前の登り窯が壊れて築造を始め、本来なら今年中に新しい窯で作品を焼く予定だった。

 8月の大雨で、雨水が窯内に入って浸水することはなかった。だが窯の床にあたる地面はいつも以上に湿り気があり、泥のような状態に。築造途中の窯内には水蒸気が満ち、耐火れんがをつないでいたモルタルが溶け出してしまった。そのため築造作業を止めて現在は乾燥させている最中だ。

 古賀さんによると、他の窯元の登り窯でも水に悩まされている。制作ができないわけではないが、余分な水分の影響で通常の焼き方をすると作品が破損したり、最悪の場合は窯自体が壊れたりすることも。そのため空焼きをするか、焼成時間を12時間ほど長くして内部の乾燥も兼ねる方式が必要になるという。

 古賀さんは「ここで窯を開いて20年になるが、こんなことは初めて」と話していた。 (古賀英毅)

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