大連(中国) パンダ堪能、漢方で癒やし

西日本新聞 夕刊 岩佐 遼介

笹に食らいつくチンフー 拡大

笹に食らいつくチンフー

パンダ園を囲うように整備された通路 180種2000頭もの動物を飼育する大連森林動物園 吸玉の施術を受けると、背中に1週間ほど消えない跡が残る 大連市東港の商業施設と高級マンション。大規模な開発により、ここ10年で倉庫街が大きく変貌を遂げた イタリアの水の都・ベネチアを模した商業施設「東方水城」 地図・大連

 北九州市との国際定期便が就航した中国・大連市。日本統治時代に築かれた古い街並みや、数多くの日系企業が拠点を構えていることで知られる。8月、北九州と大連との間で定期便が就航。早速、大連に向かう第1便に乗り込み、海を渡った。
 (岩佐遼介)

 北九州空港から飛行機で2時間あまり。市街地にずらっと立ち並ぶ真新しい高層ビルの多さに驚く。人口は増え続け、今では600万人以上に。大規模な開発が続いており、現地ガイドは「街がものすごいスピードで変わっています」と語る。

 市中心部からバスで30分ほど揺られると、大連森林動物園に到着した。中国固有種の猿など、約180種2千頭の動物がいるが、目玉は3頭いるパンダだ。私は人混みが苦手な性格で、パンダのいる上野動物園(東京)への入園をためらっていたこれまでの数年間を思い出す。ここでは行列の心配はないと聞いた。意気揚々と展示舎に入ると、のそのそと動き回るパンダが早速目に飛び込んできた。

 「見た目はかわいいけど、134キロの体を腕だけで持ち上げて木に登る力持ち。人間が近づきすぎると、危険な場合もある」。飼育員の女性が教えてくれた。名前は「チンフー」で9歳のオスだという。パンダのいる展示場をぐるっと囲うように通路が整備されており、様々な角度からじっくりとパンダを観察できる。念願のパンダの姿に、思い残すことがないようシャッターを切りまくった。

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 続いては、年間約3万人が健康診断を受けるという「神谷漢方病院」を訪れた。約20年前に開所した5階建ての病院では、マッサージやおきゅうなどを受けることができるほか、診断結果に応じた薬膳料理を提供するレストランもある。慢性的な肩こりを抱える私は、職員のアドバイスで「吸玉」と呼ばれる施術を受けることになった。

 うつぶせに寝ていると、女性職員が火で中を一瞬だけあぶった瓶を背中に貼り付けていく。背中の肉が瓶の内側に持ち上げられ、痛みとくすぐったさを感じる。5分ほどで瓶を外すと、背中がぽかぽか。血行が良くなるため、冷え性や肩こりに効果的だという。ただ、肩こりの解消と引き換えに、背中には1週間ほど消えない跡が残ってしまった。

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 初乗りが10元(約150円)とお手頃なタクシーで市中心部を移動中、ピカッと何かが光る光景を何度も目にした。現地の中国人男性によると、光っていたのは監視カメラ。違反があった場合には、ドライバーに違反内容や日時などを記したメールが送られてくるという。これも監視社会と言われる中国の一つの側面か。

 大連を後にして、北朝鮮との国境の街・丹東に向かった。

  ●メモ

 北九州市と中国・大連市は今年、友好都市締結から40周年の節目。中国の大手航空会社「中国東方航空」が8月17日、両市を結ぶ国際定期便を就航させた。定期便は月水土の週3往復で、所要時間は片道約2時間。エアバスA320(156席)を使用する。

  ●寄り道=ゴンドラでベネチア気分

 大連市南東部の東港には、イタリアの水の都・ベネチアを模した商業施設「東方水城」がある。レストランなど約100店舗が並び、計3キロほどの水路を60元(約900円)でゴンドラに乗って遊覧できる。

 近くには、7月に国際会議「夏季ダボス会議」が行われた「大連国際会議センター」もある。夜はライトアップされるほか、同センター前の広場では大規模な噴水ショーが開催され、広場は多くの見物人でごった返す。東港には、きらびやかな高層ビルが立ち並ぶが、10年ほど前までは人けのない倉庫街だったといい、大型開発が続く大連のダイナミズムが体感できる。

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