ラグビーW杯 世界とつながる44日間に

西日本新聞 オピニオン面

 世界の目が日本、九州に注がれる44日間が3日後に迫った。ラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会がいよいよ20日、開幕する。

 五輪、サッカーW杯と並び、4年に1度開かれる世界三大スポーツイベントである。9回目の今回、初めてアジアで開催される。20チームが出場し、国内12都市で計48試合を戦う。九州でも福岡市3、熊本市2、大分市5の計10試合があり、チームが拠点とする公認キャンプ地も6県10都市を数える。

 11月2日までの期間中、訪日客は45万人と試算され、世界で推定40億人がテレビ観戦するという。「一生に一度だ」の公式キャッチコピーの通り、世界とつながる好機である。

 開催地では駅前などで多彩なイベントが予定される。W杯を成功に導くのは選手だけではない。私たちもゲーム観戦自体を楽しむとともに、海外から訪れる人々とのスタジアム外での交流も大切にして盛り上げたい。

 既に各チームはキャンプ地入りしており、歓迎ムードは高まっている。旧グラバー邸がある縁でスコットランドを迎えた長崎市は、事前キャンプ地に決まった2016年以降、中学生チームの相互派遣などで交流を重ねてきた。それを土台に「最後の調整をバックアップしたい」と意気込んでいる。

 強豪のニュージーランドなど4チームを迎えるのは大分県別府市だ。観光の目玉でもある温泉を活用した取り組みに注目が集まる。練習後の温泉入浴によるリフレッシュ効果を2年かけて研究し、世界標準のトレーニング施設も整えたという。

 また期間中の今月28、29日にはアジア9カ国・地域の14歳以下の16チームが福岡県宗像市に集まり、交流大会を開く。来年以降も開催予定といい、次世代を育むイベントになるだろう。

 こうした各地の試みは、ゲームの勝敗とはまた別の、貴重なレガシー(遺産)を残してくれるのではないか。五輪やW杯といった国際スポーツ大会の開催は、その後のレガシーづくりも大きな課題だといえる。

 その意味で注目はボランティアだ。大会運営は各地のボランティアが支える。その経験を「今後」に生かす組織づくりも進んでいる。大会後も海外と交流拡大を図り、スポーツを通じた観光振興なども狙っている。

 日本代表31人のうち九州ゆかりの選手は7人で、海外出身や外国籍が15人いる。3年以上の居住といった条件で代表資格を得られるルールがあるからだ。多文化共生を体現した「ジャパン」は今の時代を映し、示唆するものも深い。一丸となって目標の8強を目指してほしい。

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