浪曲映画再ブレーク? 小倉など九州3館上映へ 人気浪曲師、銀幕に重ね実演

西日本新聞 夕刊 塩田 芳久

浪曲師の玉川奈々福さん 拡大

浪曲師の玉川奈々福さん

大分、北九州、熊本各市の映画館で特集上映される「浪曲映画」のポスター

 伝統的な大衆芸能「浪曲」(浪花節)をテーマにした映画を、浪曲の実演と組み合わせて上映する企画「浪曲映画 情念の美学」が24~26日、大分市、北九州市、熊本市の3映画館である。浪曲にスポットを当てた企画はユニークだが、九州の名画座とミニシアターが共通テーマで特集上映するのも珍しい試みだ。落語や講談、無声映画の活動弁士など古典的な話芸が静かなブームになる中、義理と人情を熱く語る浪曲も再ブレークするのだろうか。

 浪曲師の語りと曲師の三味線伴奏で演じる浪曲は、明治から昭和30年代まで広く庶民に親しまれた。「清水次郎長」「国定忠治」「忠臣蔵」などが人気の演目で、世のため人のため自己犠牲をいとわない主人公たちが支持された。文字通り「浪花節的」な世界は映画にも引き継がれ、浪曲を下敷きにした作品が数多く生まれている。

 今回の企画では、浪曲の要素がより強く反映された作品を3館がそれぞれ上映する。24日はシネマ5(大分市府内町)で「新佐渡情話」「人生とんぼ返り」、25日は小倉昭和館(北九州市小倉北区魚町)で「血斗(けっとう)水滸伝 怒涛(どとう)の対決」、26日はDenkikan(熊本市中央区新市街)で「赤穂義士」。「新佐渡情話」はストーリーと関係なく浪曲師が登場し、その語りが全編に流れる。「赤穂義士」は人気の浪曲師4人が忠臣蔵の名場面をうなり、銀幕の役者の演技と重ねる。各館とも上映の前後に浪曲師の玉川奈々福さんと曲師沢村さくらさんによる公演がある。

 仕掛け人の一人、シネマ5支配人の田井肇さんは「浪曲映画は、支持した大衆の姿や思いを映した時代の証人。魅力を広く伝えたいと考え、歴史ある九州の2館に開催を呼び掛けた」と語る。九州は、明治・大正を代表する浪曲師、桃中軒雲右衛門が修業を積むなど浪曲と縁が深い地という。「かつて映画館は劇場の役割も果たし浪曲の公演も行われていた。往時をしのぶ機会にしていただきたい」

 古くさいイメージがある浪曲だが、人間関係が希薄になっている時代にこそ、義理人情の世界は注目されていいのではないだろうか。

 入場料は各会場とも2500円。問い合わせは、シネマ5=097(536)4512▽小倉昭和館=093(551)4938▽Denkikan=096(352)2121。 (塩田芳久)

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