【ラガーマン記者が読み解くW杯】ゼロからラグビー(2)反則 「難しい」捨て、審判の手に注目

西日本新聞 入江 剛史

 ラグビーを難しいと感じさせるのは反則の細かさ。レフェリーが笛を吹いても何が起きたか分からない。テレビ観戦ならば解説がつくけれど、スタジアムではラグビー経験者が近くにいないと…。ただ経験者でも「今、何の反則?」と分からないことはある。だから、全て分からなくてもいいやと割り切った方がストレスなく試合を楽しめる。

 レフェリーの手の動きを見るといい。反則があると、反則の内容を示すジェスチャーをした上で、どちらかのチームの方向に手を挙げる。手を挙げた方向とは反対のチームに反則があったということだ。

 斜めに手を高く挙げると重たい反則。倒れたのにボールを離さない「ノットリリースザボール」、スクラムなどをわざと崩す「コラプシング」、ボールより前にいる選手がプレーに参加するなどの「オフサイド」といった反則がある。

 手が挙がった方向のチームがペナルティーゴール(3点)を狙ったり、スクラムを組んだり、ボールを軽く足に当ててからランやパスをしたり、グラウンドの外に蹴り出す「タッチキック」で前進したりできる。

 横に手を伸ばすと軽い反則。ボールを前に落とす「ノッコン」、ボールを前に投げる「スローフォワード」などだ。スクラムからプレーが再開する。

 レフェリーが腕を直角に曲げて挙げると「フリーキック」での再開となるが、そう多くないので覚えなくても、さほど問題はない。

 全ての反則が少ないのに越したことはないが、代償が大きい、重たい反則をいかに減らすかが重要になる。首への危険なタックルなどで一時退場の「シンビン」ともなれば、10分間は相手より少ない人数で戦うことになる。

 そこで重視されるのがディシプリン、「規律」だ。激しく体をぶつけ合うラグビーだが、ルールに反しないように冷静にプレーするのが大切になる。

 反則を減らすためには、試合をさばくレフェリーの傾向をつかみ、コミュニケーションを取ることも必要になる。攻撃側の反則を取りがちな人もいれば、防御側の反則に目がいく人もいる。反則か否かの線引きを試合中に見極め、プレーすることも求められる。

 レフェリーの手が高く挙がる回数が多いチームはどちらか。反則が少なく、優位に戦えているチームはどちらか。「今のは何?」にこだわるより、「規律はどう?」に着目しても面白い。(入江剛史)

(随時連載します)

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 いりえ・つよし 福岡高でラグビーを始め、早稲田大でスクラム最前列のプロップとして公式戦出場。西日本新聞入社後は旧朝倉農業高(福岡県)、福岡高、大分東明高などでコーチを務める。ラグビーワールドカップ日本大会を1年後に控えた昨年夏、九州で唯一、キャンプ地にも試合会場にもなっていない佐賀に赴任。ただ、小学生の息子が佐賀でラグビーを始め、週末の練習が楽しみで仕方がない。録画した試合を見ながらの晩酌がほぼ日課。46歳。


 

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