70代、幸せ探す婚活 人生ときめきたい ワタシペディア「私」事典~「老春」グラフィティ(2) (2ページ目)

西日本新聞

 還暦を超えても、新たな出会いを、次の伴侶を探す人々。その理由はさまざまだ。

 「楽しいことを共有できるパートナーがほしいんです」。松井チサ江さん(73)=熊本県、仮名=は5年前、すし職人だった夫を胃がんで亡くした。1カ月間は落ち込んだが、すぐに気持ちを切り替えた。「旦那は旦那、私は私の人生を好きに生きようってね!」

 費用無料の結婚相談所に登録し、婚活を始めたものの、何とも思わない人には好かれるのに、ビビビときた人とのご縁は年齢が邪魔をする。婚活あるあるの「ミスマッチ」が悩みだ。

 これまでに2人からお見合いを申し込まれた。1人は写真を見た段階で断った。「小柄で太っててね。こぎれいやったら許せるけど、じゅんだれとった(だらしなかった)」。周りに紹介しても恥ずかしくない程度の人がいい。

 もう1人は一回り下で初婚と、一見“好条件”。会ってみるとおとなしくて、気を使ってしゃべり倒したら、「結婚を前提に交際したい」と迫られた。でも迷わず断った。「リードせないかんし、しゃべれば仕事の愚痴ばっかり。いっちょん(全然)楽しくなかった」

 “失恋”も経験した。相談所で、70代男性の写真を一目見て、優しそうで恰幅の良いルックスに引かれた。が、プロフィル欄の文字に落胆した。希望年齢は「45歳まで」。「男はやっぱり若い人がよかとやね…」

 九州各地の婚活パーティーにも度々足を運び、男性に電話番号を渡してきたが、連絡が来たことはない。婚活温泉バスツアーでは「みんな、温泉の後、脱衣所で、ファンデーションを一生懸命塗りよった」。ぬかりないライバルたちに圧倒された。

 趣味は旅行。年齢を60代と偽り採用されたパートの給料と年金で遊び回っている。ただ、友人は夫がいたり、年金暮らしで余裕がなかったりで一人旅が多い。旅館の食事どころで、仲むつまじい夫婦と夫婦に挟まれ、ぽつんと食べるごちそうは味気なく、寂しい。

 結婚したい男と女。パートナーを求める思いに年齢制限はない。長い人生、もう一度、ときめきと幸せが訪れると信じて。
 =文中仮名

(吉田真紀)

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