親子の絆 こて絵で表現 左官歴50年 みやき町の山崎さん

西日本新聞 佐賀版 星野 楽

 しっくいで木板に絵を描く「こて絵」の作品を手がける元左官職人の山崎正明さん(77)=みやき町原古賀=が、赤子を抱く観音像をテーマにした作品づくりに向き合っている。児童虐待や育児放棄-。家庭内で子どもたちの命が失われる事件が相次ぐ中、「今の大人に、子どもへの愛情の大切さを思い出してほしい」と願いを込める。(星野楽)

 自宅敷地にある約30平方メートルの木造倉庫。クーラーはなく、熱気が室内にこもる。その奥、大小数十種類のこてが散らばる作業机で、山崎さんは朝から夕方まで作業を続ける。「集中すると暑さも忘れる」。タオルを肩にかけ、制作途中の作品に視線を戻した。

 作品は、左官職人が住宅の壁などにしっくいを塗り重ねて絵や模様をあしらう「こて絵」の技術を使い、木板や発泡スチロールの土台(縦約60センチ、横約45センチ)に表現する。

 左官職人歴約50年で、住宅の壁面などに「こて絵」を施してきた。2006年ごろ、当時5歳の孫を喜ばせようと人気キャラクター「アンパンマン」をこて絵で表現したのがきっかけとなり、壁掛けサイズの板に絵を描く「こて絵」作品の制作をスタート。有名スポーツ選手やアニメキャラクターなど150点近くの作品を手掛けてきた。

 「ニュースを見て、心に残ったものを作品にする」という山崎さん。ここ最近、児童虐待で幼い命が失われる事件が多発するのを受け、「じっとしてられなかった」。福岡県久留米市の大本山成田山久留米分院を参拝。そこに立つ救世慈母大観音像を題材に選んだ。

 8月中旬に制作を開始し、すでに4作品を仕上げた。来年1月にも、みやき町内の図書館などで作品展を開く予定。山崎さんは「あと2、3点増やしたい。作品を通して『子どもは宝物』だと社会に訴えていく」と話す。

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