希望者 定住意識に変化 地域おこし協力隊、竹田市が採用大幅減

西日本新聞 大分・日田玖珠版 稲田 二郎

隊員となり、竹田市に移ってきた友永さん。現在は移住・定住支援施設の運営に携わる 拡大

隊員となり、竹田市に移ってきた友永さん。現在は移住・定住支援施設の運営に携わる

 都会から地方に移住し地域振興などに取り組む「地域おこし協力隊」を全国の自治体の中でも多く受け入れてきた竹田市が、2019年度の採用をこれまでの十数人から3人に減らした。任期後の定住が制度目的の一つだが、希望者の定住意識が下がり、基準に合う人材が減ってきたという。竹田市の現状からは協力隊の“変化”がうかがえる。

 制度は2009年にスタート。隊員は自治体から給与を受け取りながら、農業や地域PR、観光振興などの活動を行い、赴任先への定住を図る取り組み。任期は最長3年。竹田市は14年度から本格的に受け入れを始め、18年度まで年14~18人を採用した。18年度に竹田市で活動した隊員は43人で全国の自治体で最多。県内では177人で、鹿児島県と並び九州最多だった。

 ただ、竹田市は19年度の採用を14人の応募者がありながら3人に絞った。市企画情報課によると、農業や観光、町づくりなど分野ごとに隊員を募っており、定住に向けた起業計画などの審査の結果、適切な人材が少なかったという。

 受け入れ当初は、東日本大震災の影響もあり、起業や移住の意欲が強い人材が関東圏などからも集まったが、最近は関東や関西の大都市圏の人たちは周辺で隊員になる傾向が強まり、竹田市への応募者は九州内が大半になっているという。

 同課は「竹田周辺の出身者は任期後に地元に戻りやすい傾向がある」と説明。さらに全国的な人手不足の現状を挙げ「隊員の給与は上限200万円。スキルがある人で、給与が今の3分の1になっても隊員になりたいという人は限られている」と打ち明ける。

 「3年間、田舎暮らしをしてみたい」という単純な気持ちで応募する人もおり、同課は「人数は求めておらず、採用減でも焦っていない」としている。

 竹田市では、家庭に眠っていた8ミリフィルムを編集して映画を製作するなど隊員による地域活性化活動の実績は多く、畜産農家になった隊員もいる。定住化率は7割に達し、成果を上げてきた。

 昨年、隊員となって鹿児島県から移り、移住・定住支援施設の運営に携わる友永英子さん(43)は「竹田には田舎の良さがあり、その魅力に地元の人々は気付かずに周囲に発信できていなかった。それができるのは隊員だと思う」などと制度の意義を語った。 (稲田二郎)

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