長崎限定のICカード 長崎自動車、さいかい交通が独自発行

西日本新聞 長崎・佐世保版 徳増 瑛子

 好調なインバウンド(訪日外国人客)に弾みを付けようと、国内の旅行に便利な全国共通の交通系ICカードの導入が進んでいる。県内でも県交通局、長崎電気軌道など6事業者が「nimoca(ニモカ)」の導入を決定。こうした動きに対抗して、長崎自動車(長崎市)とさいかい交通(西海市)の2事業者は県内でしか使えない長崎限定ICカードを16日に発行した。国が後押しする共通カードではなく、2事業者が地域限定カードにこだわる理由とは-。

 国は2015年2月に閣議決定した「交通政策基本計画」で共通カードの拡大を重要施策と位置付け、機器の購入費を補助している。6事業者は来年3月ごろから共通カードの利用に踏み切る。

 これに対して2事業者が始めるのは、「エヌタスTカード」。「長崎(N)」での暮らしに、便利で楽しいことが「プラス(+)」されていく、という意味だ。両者が国の補助金に頼ろうとせず、エヌタスTにこだわったのは、「地域に根差したカードを作るため」(長崎自動車)という。

 ニモカは提携先の交通機関であれば全国で利用が可能。エヌタスTの利用は長崎に限られるが、発行主体の長崎自動車とさいかい交通のほか、県内約1300台のタクシーと離島航路を持つ五島産業汽船が対象で地域を細かく網羅する。

 加えて、長崎市の商業施設「みらい長崎ココウオーク」での買い物や、長崎歴史文化博物館の入場料などで「Tポイント」が加算される。対象は長崎市内を中心に約150施設に及ぶ。

 事業者側にとっても、カードで得られるビッグデータを自ら活用し解析もできるため、適正なバスダイヤの改正や新サービスの創出につなげることを期待する。多くの事業者が参加するニモカにはないメリットだ。両者は3年後をめどに30万人のカード利用を見込む。長崎自動車の子会社でカードを運営する「エヌタス」の高井良肇サービス統括部長は「長崎を代表するカードを目指す」と意気込む。

 現在、各事業者が運用している県内共通ICカード「長崎スマートカード」はシステムの老朽化で来夏までにサービスを終える。 (徳増瑛子)

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