通潤橋の構造 明らかに 復旧工事、来年3月終了へ 山都町

西日本新聞 熊本版 長田 健吾

 熊本地震や大雨の影響で石垣が崩落するなどした山都町の国指定重要文化財「通潤橋」。復旧工事の過程で、橋内部の構造が1854年の建造以来初めて明らかになった。町は19日、通潤橋の保存活用検討委員会を開き、欠損している石材の修復作業や石垣の積み直しの工法について確認した。20年3月末までに工事を終え、同年4月の放水再開を目指す。

 通潤橋は江戸時代末期、水に恵まれなかった白糸台地(現在の同町)への通水を目的に造られた水路橋。橋中央部からの放水が名物の観光名所だったが、2016年4月の熊本地震で通水がストップ。昨年5月の豪雨では、橋南側の壁石が高さ4メートル、幅約10メートルにわたり崩れた。

 町は今年5月、壁石を積み直すため、被害状況の確認や測量を開始。町教育委員会生涯学習課によると、「裏築(うらつき)」と呼ばれる石垣内部の構造が、橋の建造以来初めて確認できたという。

 町によると、建造当時のものとみられる古文書には「石垣内部の構造をしっかり作った」という内容の記述はあるが、橋の具体的な構造について書かれた文書は見つかっていなかった。

 復旧に伴う調査で、裏築には、熊本城などの城郭石垣でよくみられる大きさ数センチの石を詰め込む「栗石詰め」ではなく、30~40センチ程度の石材が使われていることが判明。通水用の石管の高さを「円礫(えんれき)」と呼ばれる細かい石で調整していたことも分かった。

 町は8月、作業現場を報道陣に公開。学芸員は「裏築が小さな石だと、通水石管の重さに耐えられずに橋全体が沈下し、水がうまく流れなくなると考えたからではないか」と解説した。

 町は今後、橋上部の通水石管を取り外した上で、広範囲でひび割れなどの損傷がある裏築の石材などを補修後、崩落した石壁を積み直す予定。井手文雄教育長は「来春には皆さんに通潤橋の雄姿をお見せしたい」と話している。(長田健吾)

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