大川、古賀市ふるさと納税でタッグ 組子箱共通の返礼品に

西日本新聞 ふくおか版 前田 倫之

 県の地域産業資源にいずれも指定されている古賀市の「桐(きり)製品」と大川市の「大川組子」がタッグを組み、「組子箱」を開発した。大川組子の装飾を取り入れた和モダンな木製の小物入れなど3種類あり、10月から、両市のふるさと納税の返礼品として取り扱われる。県などによると、市町村の枠を超えた地域産業の連携による新商品が、複数の自治体の返礼品になるのは珍しいという。

 組子箱を生みだしたのは、きり製の米びつや人間国宝の芸術家の作品を収めるきり箱などを手掛ける増田桐箱店(古賀市)と、細かい木片を組み合わせ繊細な模様を生み出す大川組子の技術を有する前田建具製作所(大川市)。2017年に始まった互いの工場見学を機に、増田桐箱店には量産技術に強い一方で装飾性に乏しく、前田建具製作所には特殊加工の技術はあるが量産できずコストがかかるという、双方の課題が浮き彫りになった。

 そこで、量産したきり箱の天板に組子を採用することで、互いの弱点を補った低コストの組子箱の開発に成功。18年に改装オープンしたソラリア西鉄ホテル(福岡市)のアメニティーボックスに採用されたほか、国のジャパンブランド育成支援事業にも採択。古賀市商工会、大川商工会議所と連携し欧州での販路拡大も始まった。西日本工業大の学生のデザイン案も取り入れたという。

 返礼品用の組子箱は(1)天板に組子をあしらった六角形の小物入れ(縦約14センチ、横約12センチ、高さ約6センチ)(2)A4ファイルが入る長方形の書類ケース(3)ランプシェードとしても使える、酒の4号瓶が入るギフト箱-の3種類。いずれも天然の杉を加工し、同じ木目の製品が一つとしてないのが魅力。組子は見る角度や光によって影が変化し、洋風の空間にも合うデザインに仕上がったという。

 組子箱の寄付金額は未定。両社は返礼品となることで組子箱の知名度を高め、ホテルなどへの導入拡大につなげたい考えだ。増田桐箱店の藤井博文社長(32)は「伝統工芸の確かな技術と、これまでにない新しい仕事の融合を多くの人に感じてほしい」。前田建具製作所の前田英治代表(51)は「建具以外にも挑戦することで、組子の伝統を残していきたい」と語った。 (前田倫之)

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