米、対イラン「協調」頼み 単独外交停滞、ぶれる姿勢

西日本新聞 総合面 田中 伸幸

 【ワシントン田中伸幸】3回目の国連総会に臨むトランプ米大統領の最重要課題はサウジアラビアの石油施設攻撃を巡るイランへの対応だ。トランプ氏やポンペオ国務長官は総会出席のためニューヨークに集まる各国首脳に協調を呼び掛け、イランへの国際的圧力を強めたい考えだ。だが米国単独では緊張緩和の打開策が描けず、その揚げ句に普段は軽視する国際協調に頼ろうとする“ご都合主義”ともいえる姿勢には、各国の不満がくすぶる。

 トランプ氏に先立ちニューヨーク入りしたポンペオ氏は22日朝、テレビ各局の報道番組に出演。サウジ攻撃へのイランの関与を改めて示唆し「ひどい行動をやめさせるのは世界の責任だ」と強調。各国に連携を求める考えを示した。

 トランプ氏は24日、国連総会で一般討論演説を行うほか、23~25日に10カ国以上の首脳と会談し、イラン問題に言及する見通し。ポンペオ氏も25日にイランの核問題を議論する会合に出席する。一連の動きは、事態打開に向けた戦略をトランプ政権が描けていないことの裏返しといえる。

 トランプ氏はイランとの直接対話に意欲を示していたが、サウジの石油施設が攻撃を受けたことで情勢は急変。イランへの経済制裁強化を打ち出し、武力行使もにおわせるなど強硬姿勢を強めてみせた。ただ、6月に米国の無人偵察機がイラン側の攻撃で撃墜された際、トランプ氏は報復攻撃を最終的に中止させた。今回も本音では武力行使を避けたい考えとみられ、イラン首脳との直接対話の選択肢も排除していない。

 軸足が定まらない中、国連総会を活用して多国間連携によるイラン包囲網強化を目指すのは、イランを追い詰めて対話に応じさせる狙いとみられる。

 だが、トランプ氏は国連の会合でも、国内の支持層であるキリスト教保守派を意識した宗教の会合には参加する一方、世界で危機感が高まる気候変動の会合は短時間立ち寄っただけ。また北朝鮮が国連安全保障理事会決議違反の短距離弾道ミサイル発射を繰り返しても問題視せず、国連軽視は相変わらずだ。

 単独外交が奏功しないとみるや、多国間の枠組みに頼ろうとするトランプ氏には「都合が良すぎる」(元国連関係者)と不満が広がる。米国はすでにホルムズ海峡周辺の船舶警護の有志連合を呼び掛けているが応じる国は少なく、さらなる協調を求めても「打開策は容易に見いだせない」(米国の識者)のが実情だ。

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