ここ数年気になっていたことがある

西日本新聞 社会面 吉川 文敬

 ここ数年気になっていたことがある。大分県豊後高田市は、なぜそんなに移住者を引き付けるのか。専門誌の住みたい「小さなまち(人口10万人未満)」で2019年版総合1位になるなど“人気自治体”として例年上位に座る。転入者から転出者を引いた社会増も5年連続プラスだ。

 市は高校生までの医療費を無料化しているほか、10月からは子育て世帯対象に分譲宅地の無償提供を始めるなど、多彩な支援が自慢だ。ただ似通った施策は他の自治体にもある。「おれらは、よそもんに慣れちょるのかもしれん」とベテラン市議が「なぜ?」へのヒントをくれた。

 市によると、明治の干拓事業では瀬戸内海沿岸各地の次男、三男が新田を切り開き、戦後の山林開拓でも主に愛媛から移住者を受け入れたという。外部の人間と共存する歴史があったのだ。共生ノウハウの蓄積は、他にはまねのできない魅力の隠れた源泉なのかもしれない。(吉川文敬)

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