野生のイノシシを家畜に改良した豚は、古くから世界各地で飼育された…

西日本新聞 オピニオン面

 野生のイノシシを家畜に改良した豚は、古くから世界各地で飼育された。豚は人と共に海も渡り、南太平洋の島々では貴重な食料として大切にされた。バヌアツの国旗には、貨幣にも使われた豚の牙が描かれている

▼この厄介者は本州から九州へ、海を渡ってもらっては困る。豚コレラウイルス。昨年9月に国内では26年ぶりに感染が確認されてから、中部以東で発生が相次いでいる

▼感染源とされるイノシシの駆除やワクチン入りの餌の散布を行ったが、豚への感染を防げなかった。農林水産省はついに、養豚場の豚へのワクチン接種に踏み切った

▼感染拡大は養豚業に大打撃となる。とりわけ、九州は鹿児島県が飼育頭数全国最多、宮崎県は2位だ。地域にとって死活問題だけに、ウイルスの侵入は何としても食い止めたい

▼さらに深刻な脅威も迫っている。豚コレラとは別の病気のアフリカ豚コレラが中国や韓国で発生している。有効なワクチンや治療法がないとされる恐ろしい病気だ。絶対に日本上陸を許してはならない

▼豚といえば、豚の形の貯金箱は世界各地にあるそうだ。ピッグ(pygg=粘土)を焼いた貯金箱を頼まれた英国の職人が、ピッグ(pig=豚)と間違えて作ったのが由来だとか。多産な豚は蓄財や繁栄に恩恵がありそうだから、との説も。食生活や地域経済に恩恵をもたらしてくれる豚である。感染対策は間違いなく徹底したい。

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