直営ブドウ畑倍増30ヘクタールへ 26年めど、ワイン出荷量30万本に 三和酒類

西日本新聞 大分・日田玖珠版 吉川 文敬

 三和酒類(宇佐市)はワイン増産のため、2023年までに直営ブドウ畑を現在の倍となる30ヘクタールに拡大し、26年ごろをめどにワインの年間出荷量も30万本(750ミリリットル換算)に倍増させる方針を明らかにした。

 契約農家の高齢化などでブドウ生産量は減少傾向。一方で同社製ワインの人気は高く、自社のブドウ生産を増やして旺盛な需要に応えるのが狙いだ。同社は17年からの2年間で5ヘクタールだった直営の栽培面積を3倍にしており、7年で6倍に急増させる。

 全国的に知名度が高い麦焼酎「いいちこ」が主力の同社。一方でワイン造りは、旧安心院町(現宇佐市安心院町)で1970年代初頭から取り組んでおり、79年販売開始の「いいちこ」より歴史は古い。特に「安心院スパークリングワイン」(750ミリリットル、3437円)は、日本ワインコンクールで6度、部門最高賞を受賞するなど品質の高さには定評がある。

 盆地の安心院地区は、朝夕の寒暖差が大きくブドウ栽培に適しており、同社のワイン生産拠点「安心院葡萄酒(ぶどうしゅ)工房」では年間15万本を出荷。2018年7月期の売上金額は約2億5千万円。一方、ブドウ農家の高齢化による廃業が進み、市によると安心院地区では06年から10年間で183戸あった農家は40戸減少、年間生産量も20%近く減り、千トンを切っている。

 同社がこだわるのは安心院産ブドウを使った日本ワイン。首都圏などからの引き合いも多いが「生産量が追いつかず、断っている状態」(同社)だった。古屋浩二工房長(48)は「ワイン生産量を倍増させながら、どう品質も維持向上させるのか。ハードルは高いが挑戦したい」と意気込む。

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ワインコンクール 部門最高賞を受賞

 2017年の宇佐市安心院産ブドウを原料にした三和酒類(同市)の「安心院スパークリングワイン 2017」(750ミリリットル、税込み3437円)が、今年の「日本ワインコンクール」(同実行委員会主催)のスパークリングワイン部門で最高賞を受賞した。国産ブドウを使って国内で生産されたワインを対象にした同コンクールでの最高賞受賞は、2年ぶり6回目となる。

 16年のロシアのプーチン大統領訪日の際には夕食会に出されるなど、同社製ワインは品質の高さに定評がある。きめ細かな泡立ちが特徴の「瓶内二次発酵」というスパークリングワイン醸造では手間のかかる昔ながらの製法にもこだわる。

 17年は、ブドウの実が熟す梅雨明け以降、高温が続いた。同社は糖度が高くなり過ぎないよう収穫時期を1週間ほど早めたため、酸味が強く、かんきつ系の強い香りがするブドウができたという。この特長を生かし、豊かな果実味とさわやかな香りのするワインに仕上げたという。

 同社のワイン製造拠点「安心院葡萄酒工房」の古屋浩二工房長(48)は「来年、再来年も最高賞が受賞できるよう頑張りたい」と決意を語った。同工房=0978(34)2210。(吉川文敬)

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