「笑顔のニッポン見つけた」 自然と調和、持続可能な暮らし 記録映画「できる―セ・ポシブル」 30代のフランス人夫妻が撮影

西日本新聞

 30代のフランス人夫妻が、日本各地で自然と調和した持続可能な暮らしを試みる人々を訪ねてインタビューしたドキュメンタリー映画「できる-セ・ポシブル」の上映会が25日、福岡市であった。監督のジョナサン・カレンさん(32)、マチルダ・ジュリアンさん(34)夫妻が西日本新聞のインタビューに応じた。

 フランスでは、過労死や自殺、セックスレスなど日本の暗いイメージが伝わっているというジョナサンさんだが、撮影の旅を通じてイメージが変わったという。

 「驚いたのは、取材した日本の人たちがみんな幸せそうにしていたこと。大変なことはあってもポジティブな話ばかりで、笑顔があった。明るい人たち、実は日本にもいます」

 フランスでは今、有機・無農薬の農業を軸に循環型社会を設計する考え方「パーマカルチャー」が注目されている。2人は、東日本大震災後、同じような活動をする人々がいる日本に関心を持ち2016年10月に来日。翌年の6月まで、民泊しながら主にヒッチハイクで5千キロ以上を旅して撮影した。インタビューしたのは30人、このうち24人を映画に織り込んだ。

 撮影したのは、自然エネルギー発電や地域通貨に取り組む相模原市(旧藤野町)の地域グループ「トランジション藤野」や、自然の森の実りを生かすフォレストガーデンづくりに取り組む浜松市の同「トランジションタウン浜松」、ごみゼロを目指しリサイクル率80%を達成している徳島県上勝町のNPO法人「ゼロ・ウェイストアカデミー」など。事前に予定していたまちだけでなく、旅で知り合った人たちの紹介で新たな地域も訪ねた。

 九州各地も訪問。東京から鹿児島県・屋久島に移住した家族が自給生活を目指しつつ営む宿泊・自然体験拠点「Aperuy(アペルイ)」や、熊本県宇城市三角町の「エコビレッジ サイハテ」、鹿児島県姶良市のオルタナティブスクール「森の学校楠学園」、大分県由布市湯布院町のコミュニティーカフェ「原っぱカフェ」などを紹介する。

 一方で、東京のビルの屋上で飲食店の生ごみで土や堆肥を作り、野菜栽培を試みる「東京アーバンパーマカルチャー」の活動も追うなど、都市と地方を行き来する。

 フランスでジョナサンさんとともに日系の衣料品会社員として働き、体調を壊し、帰国後、生き方を変えて転職したという日本人男性に福岡市で再会したり、人づてに、環境保護などを訴え参院選に出馬し一定の支持を集めた社会活動家で、ミュージシャンの三宅洋平さんらに出会ったり、縦横無尽に駆け回った。

 肩の力の抜けたような夫妻が人々と交わり、それぞれの活動に驚き、面白がり、感動する。2人の心の動きや息遣いまで伝わる。興味深い旅日記であり、ロードムービーでもある。

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