遠賀川題材に絵本 「アンナのオンガ川」 米国出身、飯塚のジュディスさん

西日本新聞 筑豊版 丸田 みずほ

「飯塚では自然の美しさを間近で感じることができるのでとても幸運です」と語るジュディスさん 拡大

「飯塚では自然の美しさを間近で感じることができるのでとても幸運です」と語るジュディスさん

 飯塚市のジュディス・ジャンソン・コヅルさん(73)=米ニュージャージー州出身=が、絵本「アンナのオンガ川」を作成した。絵本は、毎日遠賀川沿いを散歩する主人公の少女アンナが、たくさんの動物や植物に出合いながら自然の大切さに気付き、考えていく物語。ジュディスさんは「幅広い世代の人に読んでもらい、自分の身近にある自然について考えるきっかけにしてほしい」と話している。

 気持ちよさそうに川を泳ぐコイやナマズ、水面に浮かぶアヒルたち。川沿いから見えるボタ山。筑豊ならではの景色も織り交ぜられた挿絵は、趣味で絵を描く知人に依頼し、ジュディスさんが散歩中に撮影した写真を参考にしながら描いてもらった。

 ジュディスさんは1993年に来日し、九州工業大(同市川津)や山口大で助教授として倫理学を中心に教えた。来日してしばらくは飯塚市で暮らし、コスモスの咲く時期には遠賀川沿いを歩いた。

 飯塚市に戻り、再び散歩するようになったのは4年前。遠賀川に架かる芳雄橋が新しくなり、河川敷の遊歩道も整備され、以前より動植物を間近で見られるようになっていた。

 それからは、朝の散歩が日課になった。春の産卵期を迎えてバシャバシャと泳ぎ回るコイや、冬の寒さを乗りこえるため50羽以上の大群を作るカモ、見たことのない花などを目にするたびに「毎日新しい発見があるのが面白い」と感じるという。

 しかしある日、いつものように散歩を楽しんでいると、引き抜かれて散乱する花たちに出合った。空き缶やペットボトルなど、捨てられたごみも目につくようになった。「とても悲しい気持ちになり、大人にも子どもにも読んでもらえる絵本を作ろうと決めた」

 主人公のアンナは物語の中で、毎年多くのボランティアがごみ拾いをしていることや、寒さや暑さの中でも草刈りをする人がいることを紹介。釣りや犬の散歩など、川と親しむ市民の姿も描かれており、「美しいオンガ川へ来てね」と呼び掛ける。

 絵本はA4判、20ページ。200冊作成し、飯塚市飯塚の元野木書店で販売している(税別500円)。ジュディスさんは「特に子どもたちには、この先もずっと自然を守っていってもらいたい。この絵本をきっかけに、たくさんの人が遠賀川に遊びに来てくれたらうれしい」と話している。

 絵本には英語と日本語を併記。QRコードを読み込むと、ジュディスさん自身が吹き込んだ英語音声を聞くことができる。 (丸田みずほ)

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