増税前、駆け込みピーク 最後の週末、日用品求め 慎重派は「必要な物だけ」

西日本新聞 社会面 古川 剛光 国崎 万智 小川 勝也 河野 大介

 10月1日からの消費税率10%への引き上げを控え、最後の週末となった28日、九州各地の百貨店やディスカウントストアなどでは日用品や高額商品を駆け込み買いする客でにぎわった。店側は購買意欲をそそる工夫を凝らし、数百万円の農機具を買う客がいる一方、「周囲に流されずに必要な買い物を」と慎重に品定めする姿もあった。

 「手が空いてるような店員はいないでしょ。お客さんは多くなっています」。同日午後、福岡市・天神の博多大丸の化粧品売り場。担当者は接客に追われる店員の姿に笑顔だ。先週末ごろから駆け込み客が増え「売り上げは普段より3~4割ほど多い」。品定めしていた福岡県久留米市の女性会社員(24)は「たとえ2%でも増税は負担に感じる。9月中に必要な物を買っておきたいので洋服も見にいくつもり」と話した。

 ディスカウントストア「MrMax粕屋店」(福岡県粕屋町)は、ビールの販売コーナーを出入り口の目立つ場所に設け、ペット用シーツをケース販売するなど増税対象商品の売り出し方に工夫を凝らす。ミスターマックス・ホールディングス(福岡市)によると、九州全38店舗の9月1~26日の前年同期比の売上高はカーナビなどの車載用AV機器が2・6倍になったのをはじめ、家電やビールなど軽減税率の対象外商品が軒並み売り上げを伸ばす。1歳の長男の紙おむつをカートいっぱいに買った福岡市博多区の主婦勇(いさむ)睦美さん(34)は「子育てに必要な物が値上がりすると困る」。

 高額商品の税率アップは家計へのダメージが大きい。宮崎県都城市の中古農機具買い取り・販売の「農機具王宮崎店」では、数十万円から数百万円のコンバインや手動式稲刈り機を購入する客が多く、例年に比べ2~3割ほど売り上げが増加。稲刈りも本格化する時季だけに28日もトラクターや稲刈り機を買う客が訪れた。

 増税に伴う運賃改定の動きもある。鹿児島市と鹿児島県垂水市を結ぶ「鴨池・垂水フェリー」は10月から運賃を引き上げ、3カ月の通勤定期券は1800円増の4万5千円に。定期券を買った鹿児島市の小学校教員男性(50)は「昨日で定期券の期限が切れたのでラッキー。約2千円の差は大きい」と喜んだ。

 一方、増税前の性急な買い物に慎重な声も。福岡市東区の女性(70)は、電化製品の買い替えを考えたが「まだ使えるのにもったいない」と思い直した。「周りのざわつきに惑わされないで良い買い物をしたい」 (古川剛光、河野大介、国崎万智、小川勝也)

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