沖縄県宜野湾市の嘉数(かかず)高台(たかだい)公園を訪ねたことがある…

 沖縄県宜野湾市の嘉数(かかず)高台(たかだい)公園を訪ねたことがある。沖縄戦で日本軍が高台に陣地を設け、米軍と激戦を繰り広げた地。兵士が立てこもったトーチカに生々しい弾痕が残っていた

▼展望台から見て米軍普天間飛行場の大きさに驚いた。基地が街のど真ん中を占め、張り付くように住宅や公共施設が密集する。危険極まりないと思った。基地返還が急務なのは自明の理だが…

▼混迷の発端は10年前のあの発言か。「最低でも県外」。自民党から政権を奪う前に旧民主党の鳩山由紀夫代表(当時)が、日米が名護市辺野古で合意していた基地移設先を見直すとした

▼沖縄には在日米軍専用施設の約7割が集中する。鳩山氏は基地の県内固定化を避け沖縄の負担軽減を目指したが、迷走の末、自壊。政権に返り咲いた自民党は再び移設先を辺野古に定め、沖縄県と争いを続けている

▼前回知事選で沖縄が辺野古移設反対を選択したのは1年前。近頃、本土の政治家からはあまり基地を巡る発言を聞かない。沖縄への無関心が心配だ

▼沖縄の空気感はどうか。琉球新報に出向中の同僚に尋ねてみた。沖縄戦の記憶が残る高齢者ほど基地問題に敏感だが若い人ほど関心が薄い。「何をしても変わらない」との冷めた見方がじわりと広がっているそうだ。本土より政治への関心が高いはずの沖縄の若者にも無力感が広がっているとすれば、この国の未来は危うい。何とかせねば。

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