うたせ船で水俣病学ぶ 県内外の50人、漁師らの話聞く 芦北町

西日本新聞 熊本版 村田 直隆

 不知火海伝統の「うたせ船」に乗り、水俣病の歴史を学ぶ講座が28日、芦北町であった。県内外から約50人が参加。原因企業チッソの事業子会社JNCの水俣工場を船上から見ながら、汚染当時を知る漁師らの話に耳を傾けた。

 水質汚染から再生した海に触れ、水俣病の理解につなげようと、芦北町が2008年から始めて今年で12回目。受講者たちは5隻に分かれて同町の計石漁港を出航し、約30分で水俣市の沖合に移動。漁師たちから「汚染当時は風評被害で不知火海全体の魚が売れず苦労したが、現在は水俣沖でもサンゴやタツノオトシゴが見られるほど水がきれいになった」といった証言を聞いた。

 船上講座の前には、水俣病資料館の元館長で、現在は伝え手を務める坂本直充さん(64)が「水俣に生きる」をテーマに講話。水俣市職員時代に多くの患者、被害者と接するようになった経験を基に、「水俣病事件を繰り返さないよう、患者さんたちは勇気を持って声を上げてきた。その歴史から何を学ぶのか、私たち一人一人が問われている」と語った。(村田直隆)

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