増税、負担じわり 非課税の医療費も値上げ 「軽減税率」導入 混乱は必至

西日本新聞 一面 石田 剛

 消費税率が10月1日から10%に引き上げられる。増税は2014年4月に現在の8%になって以来、5年半ぶり。低所得者の負担軽減や増税に伴う消費の落ち込みを防ぐため、政府は飲食料品などの税率を8%に据え置く軽減税率制度を初めて導入するのに加え、キャッシュレス決済へのポイント還元など手厚い対策を用意している。ただ、制度が複雑化しており、混乱は必至だ。私たちの暮らしはどう変わるのか。改めてまとめた。

 電気やガス料金は経過措置で11月分から増税分が上乗せされる。九州電力と西部ガスによると、原燃料価格の変動も加味したモデル家庭の11月料金は、九電の電気料金が10月より93円高い6508円、西部ガスのガス料金が110円高い5827円になる。

 公共交通の料金も上がる。JR九州は1円単位を四捨五入し、10円単位で値上げ。在来線の初乗り運賃は10円高い170円となる。値上げの割合を示す平均改定率は1・850%。西日本鉄道の路線バスは、区間に応じて10~30円値上げ。100円の区間など、値上げしない区間もある。高速バスは、子会社を含む6社で運行する全34路線のうち31路線で10~400円を値上げする。

 銀行の手数料は10月1日に引き上げられる。主な銀行の現金自動預払機(ATM)の時間外手数料は108円から110円に。ATMを使って他行に3万円未満を現金で振り込んだ場合の手数料は、540円から550円になる。

 郵便や宅配の料金も増税の対象だ。通常はがきは1円値上がりして63円に、手紙(25グラム以内の定形郵便物)は2円高い84円になる。8月から新料金に対応したはがきや切手を販売しており、現行のものは今月30日で販売を終了する。ヤマト運輸は10月1日から、宅急便の料金を現金払いは1円単位を切り上げた価格にする。電子マネーやスマートフォンによるキャッシュレス決済の場合は切り上げをしない。

 一方、消費税が非課税で値上げにならないものもある。住宅の家賃や土地の売買、商品券やプリペイドカードの売買などだ。学校の授業料や火葬料も非課税取引に当たるため今回の増税の影響は受けない。ただ、公的医療保険でカバーされる医療費は消費税の課税対象外だが、医療機関が業者から仕入れる物品などは消費税がかかるため、国は10月から診療報酬を増税分引き上げる。初診料は60円、再診料は10円高くなる。 (石田剛)

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