増税、被災地再建へ重く 大雨、新調のレジ水没 佐賀の食堂

西日本新聞 社会面 津留 恒星

 消費税率が1日、10%に引き上げられた。8月28日に記録的な大雨に見舞われた佐賀県では、仕事や暮らしの再建を図る市民に「増税」が重くのしかかる。

 「きれいになった方ですよ。なんもなかけど」。武雄市北方町の食堂「かみや」で、小路丸貴之さん(48)は厨房(ちゅうぼう)機器がなくなり広々とした店内を見渡しながらつぶやいた。

 祖母が開いた食堂を店主の母とともに守ってきた。大雨で店が浸水し、5台の冷蔵庫が横倒しになって食器が散乱。駆け付けた店内は「足の踏み場もなかった」と振り返る。

 増税に伴う軽減税率に対応するため、大雨の3日前にレジを新調したばかりだった。ところが水没して使い物にならなくなった上、稼働していないとして購入費に対する補助金は出なくなった。

 中小企業庁は水害の被災者を対象に、10月以降のレジ購入でも補助金の対象とする方針を示した。小路丸さんは再購入するつもりだが、店自体の再開が見通せない。「焦ってもどうにもならない。再開へできることをするだけ」と話した。

 鉄工所からの油流出で、大町町の岸川喜八さん(83)は、自宅が油混じりの水に漬かった。被災直後、1階は「ぐちゃぐちゃで手のつけようがない」状態だった。2台の車は廃車にし、家具や電化製品はほぼ全て処分した。被災前にはあまり増税を意識していなかったというが、「元の生活に戻したくてもお金がとにかく足りん。消費税が上がればなお、負担が重い」。災害と増税にため息を漏らした。 (津留恒星)

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