かんぽ内規・法令違反6327件 中間報告 2万6000人超に金銭補償

西日本新聞 一面 中野 雄策

 日本郵政グループは30日、かんぽ生命保険の不正販売について社内調査の中間報告を発表した。2014~18年度に保険業法など法令や社内規定に違反した疑いのある契約が9月27日時点で6327件に上り、うち2割強の約1400件は法令違反の可能性があるとした。外部有識者の弁護士3人でつくる特別調査委員会も中間報告書を公表し、過剰な営業ノルマを達成するため「どう喝指導」と称する不適切教育が一部にあったと明らかにした。

 日本郵政の長門正貢社長、かんぽ生命の植平光彦社長、日本郵便の横山邦男社長が東京都内でそろって記者会見した。法令違反は虚偽説明や不利益を隠したケースが目立ち、社内規定違反は80歳以上の高齢者の勧誘などが該当するという。

 保険料の二重払い分の返金など不利益解消を希望する顧客も2万6036人に上ると明らかにし、金銭補償に応じる方針を示した。

 調査は顧客に不利益を与えた疑いがある18万3千件が対象で、これまでに終えたのは4割弱の6万8020件どまり。12月末に公表予定の最終報告では、違反件数や不利益解消の希望が大幅に増えるとみられる。

 長門氏は「お客さまに大変ご心配とご迷惑をお掛けしており、深くおわび申し上げる」と改めて謝罪。一方で「再発防止策と信頼回復に全身全霊で打ち込むのが経営責任だ」と述べ、3社長の引責辞任を否定した。自粛している保険販売は当初、10月1日の再開を予定したが、顧客対応や再発防止を優先し来年1月をめどに再開するとした。

 特別調査委の中間報告書は「顧客本位の業務運営が十分に浸透していなかった」とし、組織風土などに問題があったと批判。実力に見合わない販売目標が不正につながったと指摘した。

 一方、不正販売問題を報じた番組を巡り、日本郵政グループがNHKとNHK経営委員会に抗議した問題について、長門氏は社内調査などを実施せずに抗議した対応を「深く反省する」と謝罪。「今となっては全くその通り。プレッシャーを与えた気持ちは全くない」と釈明した。 (中野雄策)

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