ポイント還元はや混乱 「5%」を「2%」登録ミス事例 中小店「国の対応ずさん」

西日本新聞 一面 本田 彩子

 1日の消費税増税と同時に始まったキャッシュレス決済のポイント還元制度を巡り、期限前に申請したにもかかわらず、国側のミスや決済事業者の不備で、1日に還元がスタートできない店が相次いでいる。5%還元の対象店が2%還元と誤って登録されたり、クレジットカード会社による国への申請作業が大幅に遅れていたり-。対象の中小店舗は「国が推進する制度なのに管理も対応もずさん過ぎる」と憤る。

 制度は10月から来年6月まで、中小店舗でキャッシュレス決済をするとポイントが還元される仕組み。還元率は中小・小規模店舗は5%、フランチャイズチェーン店やガソリンスタンドは2%。増税後の消費の落ち込みを防ぐ狙いがある。

 経済産業省は制度開始に間に合う申請期限を9月6日に設定していた。期限前日の5日までに約58万店から申請があり、10月1日からポイント還元を始められるのは約50万店という。

 福岡市中央区にある個人経営の飲食店「伊都の栞(しおり)」はキャッシュレス決済で5%分が還元される対象店で、7月に申請。ところが9月初旬、経産省がホームページ(HP)で公表した対象店舗一覧を確認すると還元率は2%と表記されていた。店に掲示するポスターも「2%還元」と書かれたものが送られてきた。

 すぐに訂正とポスターの再送を求めたが、経産省は「決済事業者からの報告がないと訂正もポスターの再送もできない」と回答。クレジットカード会社など決済事業者3社に自ら問い合わせ、全て5%還元で申請したことを確認した。再度、経産省に求めたが、30日夜現在も訂正されていない。

 西日本新聞の取材に対し、経産省は「還元率を誤って登録した可能性が高い」と説明。店のオーナー山崎雄樹さん(47)は「2%と5%ではお客さんの印象があまりに違う。1日にスタートするため、早くから準備してきたのにひど過ぎる」と話した。

 福岡市・天神の新天町商店街にある婦人服店も、8月中に全ての決済事業者への申請を済ませたが、先週になってクレジットカード会社8社中4社で、ポイント還元が1日にスタートできないと伝えられた。理由は「事務手続き上の遅れのため」だった。店は「ルール通りにやっているのになぜ」と納得がいかない。「増税分よりポイント還元の方がお得」と説明し、商品を取り置きしている顧客もいる。「5%分は店が負担するしかない」と肩を落とす。

 経産省は「決済事業者には多くの申請があり、作業に追われている。HPの誤表記については、他にも問い合わせがあり、ご迷惑をお掛けして大変申し訳ない。順次、対応していく」と話している。 (本田彩子)

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